2006年08月18日 (金)

『ザ・藤森照信』現物×模型

諏訪の高過庵を見に行ったゴリモンさんのエントリー「木の上に住んでみたい♪」コメントで、X-Knowledge HOME 特別編集 No.7『ザ・藤森照信』を紹介しておきながら自分は目を通してないというのも何なので、本日、堂島のジュンク堂で買ってきた。

まだパラパラと写真を見ながら、藤森照信×岡崎乾二郎=対談「最後に残る建築は?」しか読んでないのだが、藤森建築撮り下ろしと称する写真、これがふだん建築雑誌等で見掛ける写真とちょっと違う。というか、ゴリモンさんが Photoshop 加工して最近よく遊んでられる「箱庭梅田」写真にそっくり? てゆーかゴリモンさん、それらの写真を指して"本城直季もどき"って書かれてたんだけど、『ザ・藤森照信』の撮影者とはまさしく本城直季氏ご当人だったのである。

2006年08月09日 (水)

施餓鬼と施主

年配の友人からのメールに「お施餓鬼」という言葉が使われていて、恥ずかしながら私はその言葉にそこで初めて接したのだった。そのメールには親切にその意味も添えられていたが、当然初めての言葉に接したときには Google である(笑)

ここでは葬儀・葬祭会社の文章を引用する。本来、読点の入りそうな場所が全角スペースになっていてちょっと読みづらいので、その部分はこちらで適宜修正を施した。また赤字・緑字は本文とは別のところで使っている。

お施餓鬼とはファミリーホール株式会社お施餓鬼は餓鬼道の世界に落ちて苦しんでいるものに、飲食を施すという意味で、すべての生き物の生命を尊ぶことを教えています。人間としてある私たちも、いつかは餓鬼道に落ちるかもしれませんので、施すことを怠ってはいけないということでしょう。
『施餓鬼会』は、通常、お盆の時期に行われますが、本来は特定の日に限定されるものではございません。お盆の由来の目連尊者のお話と施餓鬼の由来の阿難尊者のお話が似ていることから、この時期に行われるようになったようです。

by m-louis : 19:27 | comments (6) | trackbacks (0)

2006年04月29日 (土)

耐震強度偽装問題への提言

5回にわたってエントリーしてきた「耐震強度偽装問題への提言」のシリーズ。
その全編にいつもの私の悪い癖(長文化)は出まくってしまったので、このエントリーではそれらを目次形式にしてもう少しコンパクトにまとめておきたいと思っている。

耐震強度偽装問題への提言1
・前置き(素人の妄想的暴論が持つ可能性について)
・参照書籍(多田英之著『建築の設計と責任』+『法律と科学技術』)の紹介
・被害マンションの「耐震構造→免震構造」化の再考を提言

耐震強度偽装問題への提言2
・耐震建築と免震建築の歴史的背景とその立場について
・免震化が困難と言われる一番の理由(免震建築はコストが高くつく)について

耐震強度偽装問題への提言3
・免震建築事例(六本木ヒルズ・首相官邸・中之島公会堂)の紹介
・建築業界の既得権益層が「免震建築は高くつく」というイメージを喧伝していること

耐震強度偽装問題への提言4
・業界の耐震・免震に対する既得権益意識を産官学の「学」を中心に検証
・耐震建築はあらゆる意味で「金」の生る美味しい木になっているということ

耐震強度偽装問題への提言5
・耐震強度偽装事件に関与する人物たちの一斉逮捕の報
・全被害マンション免震化へ向けての戦略1(被害住民のネットワーク構築)
・全被害マンション免震化へ向けての戦略2(逮捕者たちやマスコミの活用法)
・建築の設計と責任、そして施主の位相(消費者に留まるか当事者として考えるか)

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2006年04月27日 (木)

耐震強度偽装問題への提言5

さて、このエントリーでようやく本題ともいうべき耐震強度偽装問題への提言(素人の暴論)に入りたいと思うが、その前に時事ネタを一つ。周知の通り、4月26日、とうとう耐震強度偽装事件の一斉逮捕が行われた。この問題を国会で最も鋭く追究して来られた民主党議員の馬淵澄夫氏もご自身のブログで「160日目の逮捕」というタイトルでエントリーされているが決して感慨に耽ってなどいない。その文末で〈160日目の逮捕は、新たな展開のゴングでもある。〉と結ばれているように、彼の視線は〈平成10年の建築基準法改正の議論の時に、制度の抜本的改正を行わねばならない立場にいる建設省ならびに与党の議員たちの不作為の責〉と〈建築基準法改正審議〉に向いている。

しかし、私個人としては行政側の問題は馬淵氏らにお任せするとして、むしろ今回逮捕された面々+αに、あくまで「建築」という次元に踏み留まった上での追究をしていきたいと考えている。それは私が彼らに「建築」という「業」で生きてきたからには「建築」という「業」においての責任をしっかり果たしてもらいたいと考えているからだ。
(まあ、その辺が素人の無邪気な暴論・空論と言えるところでもあるんだけど)

そのために彼らに実施してもらいたいと考えたのが「提言1」で早々に結論づけた〈退去勧告の出された一連のマンションを耐震構造から免震構造に置き換えよ!〉である。

by m-louis : 23:01 | comments (0) | trackbacks (1)

2006年04月25日 (火)

耐震強度偽装問題への提言4

このエントリーでは「耐震強度偽装問題への提言2」で書いた〈耐震建築が既に一つの「体制」として一人歩きし、産官学が民を顧みずに既得権益に預かろうとする図式(歴史)が成立してしまった〉ということに関して、もう一歩踏み込んだ具体論を展開しておく。本来「提言2」でそれは済ませておくべきだったのだが、毎度お馴染みの長文化が始まってたので、ちょいと遠慮すべき?という老婆心が働いてしまったのである。

さて、ここでは説明を簡素化するため、冒頭で引用した問題は「耐震既得権益問題」と名付けることとする。それでこの耐震既得権益問題で最初に検証としようと考えているのが一番意外に思われるかもしれない「学」の領域と耐震建築の関係についてである。

by m-louis : 23:29 | comments (2) | trackbacks (2)

2006年04月20日 (木)

耐震強度偽装問題への提言3

このエントリーでは当初、前エントリーの終わりの方で予告していた「より実践的なレベルで免震建築の話をどう耐震強度偽装問題に切り込ませたらよいかについて」書くつもりでいた。しかし、理屈っぽい話ばかりずっと続くと疲れるので、このエントリーはちょっと軽い話題(事例を中心に紹介して)をして閑話休題ということにしたい。

まずこれまで解決案として打ち出してきた免震建築であるが、実際にそれが取り入れられている有名建築を3つほど挙げてみることにする。ちなみにこの3つの建築が免震建築であることを知ったのは、丸激のトークでと多田英之氏の著作によってである。

by m-louis : 23:50 | comments (2) | trackbacks (1)

2006年04月18日 (火)

耐震強度偽装問題への提言2

現状の耐震偽装マンションの構造を免震化するという手法はコストが掛かり過ぎて話にならないと私の見たワイドショーではパネル説明されていた(※1)。ところが「耐震強度偽装問題への提言1」で取り上げた多田英之氏のトークや著作ではまったくそれとは逆のことが言われている。つまりは「免震建築は耐震建築に比べてコストが安くなる」というわけだが、私にはそのどちらが正しいのかを判断することはできない。ただ、多田氏の著作を読み進めると実際どちらの言ってることも正しく捉えられそうな視点が存在することは想像でき、その両義性をこのエントリーでは繙いてみようと思うが、それを始める前にまずは前エントリーで予告してあった耐震建築と免震建築の置かれている立場の違いについて軽く触れておきたい。

耐震建築と免震建築の違いはその字義からもおおよそのところは推測可能だと思うが、前出の多田英之氏が代表を務める日本免震研究センターのサイトにその違いをわかりやすく見せたかわいい GIF アニメがあるので、それをまずは縮小転載させていただくこととする(尚、日本免震研究センターにはいずれリンクや画像転載の件で連絡取らせていただくつもりではいるが、それはもう少し議論の見えたところまでこのシリーズを続けてからにしたいと思っているので、先に見つけられたとしたらご勘弁である)

RSL免震システム: 1. 耐震・制振、免震構造について
耐震建築免震建築

by m-louis : 23:30 | comments (0) | trackbacks (1)

2006年04月15日 (土)

耐震強度偽装問題への提言1

これまでこのブログでは冗談程度にしか耐震偽装の問題について触れてこなかった。
それは誰が悪いだの誰に責任があるだのと今更ここで書いてみても一般論の域を到底出るものではないし、きっこのブログのような特別な情報を持ち合わせているわけでもないので、無闇に検出されるエントリー数を増やして本当に必要な情報を求めている当事者たち(マンション住民?)の邪魔をしたくないとも思ったのである(ってことは冗談でも触れるべきじゃなかったとも言えるけど)。

それともう一つ、これは他の社会現象とも大枠で繋がりそうな話なのだが、昨今の建築物に規制を与えているはずの建築基準法──その法制度のあり方そのものに対して以前から漠然とした疑問を抱いていて、ただ、その法令については何ら詳しい知識があるわけではないので、あまりいい加減なことも書けないと思っていたのである。

ところが、去年の秋から視聴し始めた丸激トーク・オン・デマンド「videonews.com」の2月11日の回にゲスト出演した多田英之氏(日本免震研究センター代表・一級建築士)の話「耐震偽装の深層──安全な建物とは何なのか」を聞いたことによって、それまで漠然としていた疑問の輪郭がかなり鮮明なものとなってきた。
そこで早速、彼の著書『建築の設計と責任──なぜ今も地震で建物が壊れるのか』(岩波書店・¥2.310-)を購入。またトーク中に取り上げられた『法律と科学技術──第三者機関が消滅する』という非売品書籍も入手。これらの書籍は共に耐震強度偽装問題が世で騒がれる前に書き下ろされたものであったが、まさにこうした問題が先の法制度上の問題として必然的に浮上することを説いた警告の書だったと言って間違いない。トークを聞き始めたときには、威勢の良い爺さんが出てきたもんだくらいの感じで見ていたのだが、聞き手の宮台真司氏も繰り返されるように目から鱗の話だらけで途中から釘付けとなってしまった。

by m-louis : 23:15 | comments (2) | trackbacks (2)

2006年03月27日 (月)

橋本遊郭の記憶

旧橋本遊郭

N的画譚の neonさん、ちはろぐのちはるさんと京阪沿線・京都のはずれは八幡市にある橋本を散策した。橋本は元々は遊郭として栄えた小さな宿場町で、私はその所在はおろか地名すらも知らなかったのだが、20年前に橋本を訪れたことが今の作品スタイルの確立へと繋がったという neonさんとの交流をきっかけに知る機会を得たのである。

京都断章*1」「京都断章*2」「京都断章*3」と neonさんが橋本との接点について断続的に書かれているので、まずはそちらを参照されたい。特に「京都断章*2」で紹介される作品は、そのエントリーでもコメントさせていただいたようにそのモチーフである「建物の中に neonさんの絵がある」と感じさせられた必見の大作である。
(橋本から帰られた neonさんは「橋本幻景」というエントリーを新たにされている)

2006年03月11日 (土)

赤穂と日生〜古さ考

最近にわかに温泉&城めぐり趣味を持った妻に付き合って青春18きっぷで赤穂日生に日帰りで行った。赤穂は言うまでもなく赤穂浪士と塩田の有名な城下町で、赤穂城跡と赤穂温泉の宿「潮彩きらら 祥吉」を中心にレンタルサイクル(1日200円)で回った。
個人的に赤穂浪士や忠臣蔵に特に思い入れがないので、感慨を持っての観光は難しい。加えてこの日、天気予報では日中20度近くまで気温が上がるということだったのに、実際は物凄い濃霧で気温がまるで上がらず、春の装いで寒空のもとをチャリで風を切って走らなければならないという、非常に苛酷な一日となってしまった。

by m-louis : 10:00 | comments (7) | trackbacks (1)
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