2008年04月15日 (火)
朝妻義征著『家づくり物語』
2005年「家づくりは、はじめてですか?」のエントリーで、業界唯一完全独立系建築プロデューサーの朝妻義征氏が出された同タイトルの自費出版著書を紹介したが、その後に氏は改訂版を出されたあと(その改訂版では上記エントリーでツッコミ入れてた背表紙タイトルも追加された)、さらにバージョンアップさせた本格書籍を幻冬舎ルネッサンスから発行された。
タイトルも新生『家づくり物語』へと変わっている。ちなみに梅田ジュンク堂で書籍検索すると、なぜか「文芸」のカテゴリで出てくる。物語ってタイトルだからなのか、それとも幻冬舎だからなのか、書店の検索機も複数カテゴリ指定の機能は搭載していてもらいたいものである。
レビュー(感想文)は、我が家づくり仲間の仲間内では、
・ちはろぐ: 『家づくり物語』
・家づくり行ったり来たり: 「家づくり物語」──友人が書いた本をオススメする
・あさみ新聞: 家づくりのススメ
と強力なエントリーが続き、正直それに続くには尻込みしてしまうというのが本音だ。
そのくらい上記エントリーは強力(なぜかここで最初「協力」と変換されてしまったのだが、ある意味で「協力」的でもある)なので、同書籍をお持ちの方、心惹かれてる方はそれを読まれるより先に『家づくり物語』を読まれた方がいいかもしれない。そして読後にそれらエントリーを読むと、『家づくり物語』が如何にスゴイ本だったかを改めて実感されることだろう(て、読んでる途中で気づく人は気づいちゃうだろうけど)。
さて、朝妻さんが心待ちにされてるような感想文だけど、スンマセン。2005年のエントリーで内容面についてはそれなりに書いてしまっているので、今回は少々斜めからの切り口で捉えさせてもらいます(ある意味直接的な内容には触れない)。
それで今回『家づくり物語』を読みながら、というよりも読む前から朝妻さんがブログなどで漏らされてた言葉を聞きながら思ったのは、この本において朝妻さんははじめて(?)施主(クライアント)という立場に立たれて、本づくりと向き合うことになったんだろうなということである。これまでの自費出版は云わば「DIY」で作られていたようなもので、特に改訂前の版では誤字脱字なども結構あって(笑)、でも、おそらくは自分の作りたいように自分の中から湧き出る言葉を紡ぎ出して来られたのだと思う。
ところが、今回は編集者(建築家?)が間に入り、装丁・イラスト(左官?)と色々な人たちとの共同作業のなかで、本づくりのリーダーとして、ときには迷子になったり、もしかすると本づくりの妖精とどこかで出会って、その共同作業ゆえに編み出された一つの形となったものがこの『家づくり物語』なのだろうなと思った。なので、朝妻さん本人と直接お会いしたことのある者としては、ここは自分が知ってるはずの朝妻さんぽくないなと思うところがないわけではない。しかし、私にとって家づくりが面白かったのはそういう「100%純然たる自分」ではないところが、建築家や工務店、家族とのやりとりのなかで紛れ込んでくることであった。そして、もう一つ面白いのがそうして紛れ込んできた新たなる要素が気づかぬうちに、それもまた「自分」の一部であるかのように感じられるようになっているということである。
実は私自身、ふだんはクリエイターの側の立場にあるので、実家の家づくり自体がはじめての施主(クライアント)体験だったと言っていい。しかし、その経験は言うまでもなくその後の本業活動において大きな糧となっている。おそらくは建築プロデューサー朝妻さんにとっても、本づくりというクライアント体験は本業の実績を踏むこととは別の意味で大きな糧となったに違いない(家づくりの迷子にとっては、より一層朝妻さんが身近で親しみの持てる妖精となっていることだろう)。
書籍配本直前、朝妻さんは某所で「孫の誕生を待つおじいちゃんのような心境かも? うん?なぜ子供じゃなくて孫なんだろう? 」と語られていた。その心理は自費(DIY)ではなく、より多くの仲間(家族)に囲まれて迎える産声だったからではないだろうか。よく孫の誕生は我が子よりも嬉しいなんて話聞くし。。
以上、本エントリーでは著作本編の具体的な部分には一切触れずに書いてしまったが、ブログ迷走中の身にとって『家づくり物語』は家づくりの過程を想起するネタ満載なので、祖父の展示が終わって落ち着いたら、本文中の唐突な一行をきっかけに妄想を繰り広げるようなエントリーを小出しにできたらと思っている。
どうも!朝妻です。
待ちに待った感想文エントリー!
ありがとうございます。
>ぽくないな
はて、どんなところだろう?
今後の小出しエントリーを楽しみにしています。
by 朝妻 : 2008.04.15 11:40朝妻さん、早速どうも!です。
あとは愛美さん、、じゃなくてNさんが楽しみですね。
・・と妙なプレッシャーをかけてみる(^^;)
「ぽく」の件は某所にてのちほど。
ん?
by ノアノア : 2008.04.15 19:42(汗)^^
by m-louis : 2008.04.15 20:03