2009年06月19日 (金)

カブトエビ/ガニ

カブトエビ

ちはるさん(ちはろぐ)の加古川の仕事(古民家改修)が無事終了し、その竣工写真の撮影を頼まれて二度目の現地訪問。加古川といってもJR加古川駅から車でそれなりのところなので、周辺には田んぼもあって長閑な場所である。

その田んぼで見つけたのが写真にも二匹写っているカブトエビである。
最初、田んぼの中をにょろにょろ動いているのが見えたときには、最近、空から降ってくることで話題のおたまじゃくしかと思ったのだが、よく見たら違った。

カブトエビとはそう、あの学研の「科学」の付録に付いてくる「生きている化石」とも言われる甲殻類の淡水生物である。乾燥した卵を水に入れておくと孵化してミジンコのように泳ぎ出すというインスタントラーメン感覚で飼える生物だった。ただ、孵化してちょろちょろ泳ぎ回るようになって以後の記憶がほとんどない。Wikipedia にも寿命が短く数ヶ月で死んでしまうとあるが、結局飼育ケースだけ使い回してた気がする。

ところでカブトエビを発見したとき、実は私はちはるさんに「カブトガニがいる」と話していた。それに対し、ちはるさんは正しく「カブトエビ」と言い直して受け答えされていたのだが、私は私であくまでも「カブトガニ」と繰り返し呼んでいた。というのも学研の付録では「カブトガニ」という名前だった印象が強くあったからだ。

しかし、Wikipedia で調べればそれは「カブトエビ」であり、「カブトガニ」は別種の節足動物(甲殻類ではない)として紹介されている。「生きた化石」と呼ばれる共通性はあるが、前者は淡水、後者は海水の生物なのだ。ちはるさんもさぞかし訝しく思われてたことだろう・・とここは素直に自分の記憶違いを反省すべきところなんだろうが、ところが「教えて!goo」には一つ興味深い質問が載っていた。それは私と同じように学研の付録には「カブトガニとあったのでは?」というものである。完全に裏の取れた回答が得られているわけではないので、実際のところは定かではないが、どうやらある時期の世代はカブトガニを飼っていたか、あるいは記載ミスか何かで「カブトエビ」を「カブトガニ」と思い込まされていた可能性が考えられる。

と読み間違えの言い訳はこの辺にするが、ついでにもう一つ、確証の持てないこぼれ話を(笑) 例の空から降ってくるおたまじゃくしだが、義父によれば、あれは鷺の仕業じゃろうとのこと。この時期、鷺は子育てのために口の中におたまじゃくしなどの餌を大量に含んで、それを雛の待つ巣まで運んでやるんだとか。とすれば、何かの拍子にそれをごそっと落とすことも充分考えられる。日本野鳥の会は「オタマジャクシは鳥にとってまずい食べ物。栄養価も低い」と否定的なんだそうだが。。

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by m-louis : 2009.06.19 14:59
comment

先日はおつかれさまでした。

あんなにたくさんの「カブトエビ」が泳いでいる姿は久しぶりに見ました。
私も科学の付録は記憶にあります。
んで、「カブトエビ」という記憶があるんですね。
まぁ、近所の田んぼにはいっぱいいましたけど。

m-louisさんの子供の頃なら、ひょうきん族で
♪音頭、笠岡、カブトガニ~♪
というのがあった時代ですので、その着ぐるみの姿を見て
付録のカブトエビの名前と混同して記憶に残っているのでは
ないかと推測いたします。

まぁ、当時から「カブトガニ」という名前の方がよく耳にしていた記憶がありますけど。

by ちはる : 2009.06.24 09:19

>ちはるさん
♪音頭、笠岡、カブトガニ~♪、、確かに(^^;)
その記憶がごっちゃになったのかもしれません。
とにかく混同が生じてるのは自分の世代限定のようなんで(汗)

しかし、この写真、超広角レンズはめてたときに撮ったもので
もう一度標準レンズに戻したときに撮り直しておけばよかったです。
そうすればもっとウヨウヨいる感が出てただろうに(相変わらず超広角不慣れ)

by m-louis : 2009.06.24 19:10

 海にはカブトガニ、陸にはカブトエビのいる瀬戸内育ちだと混同しない…かな? カブトガニは、しっぽの方を頭と信じていたうちのカミさんみたいな人もいますが…。
 田んぼのエビには他にホウネンエビやカイエビがいて、少年時代個人的にはカイエビに一番そそられました。

by isado : 2009.07.05 19:13

>isadoさん
Wikipedia には「関東・中部地方以西に広く分布」とありますが、より細かいレベルではアメリカカブトエビ:関東以西、アジアカブトエビ:鳥取、関西地方とのことで、関東育ちには学研付録以外での馴染みは若干薄いのかもしれません。
田んぼといえば、どちらかというとコオイムシやゲンゴロウ、ヤゴか、蛙でしたから。。

それにしてもホウネンエビやカイエビはほとんどミジンコの世界ですね。
それにそそられる少年時代の isadoさん、渋すぎです!:)

by m-louis : 2009.07.06 00:46

私のばあいも、カブトエビといえば、ホウネンエビ、カイエビとセットです。ただし、30歳代に博物館に勤めてた頃、陸水学を専門とする学芸員から教わりました。カブトエビ、ホウネンエビ、カイエビがたくさんいる田んぼって、「良い」田んぼですよね~。農薬を使いすぎるといませんから。人間が田んぼをつくり始める前から、雨季・乾季で水につかったり乾いたりする湿地にずっと暮らしてきたわけで、そういうふうに思うと、とっても神秘的といいますか、ロマンチックな感じがします。まさに、生きた化石ですね。乾いた土地でも、卵のままで、何年も生き延びるそうですから、そのあたりもすごいな~と素朴に思ってます(^^;;。

by わきた・けんいち : 2009.07.31 15:15

>わきた・けんいちさん
カブトエビ等の有無が農薬使用料の指標になるとは!
これから田んぼを見るときの目が少し変わりそうです。
それと乾燥卵で生き延びられる生命力、、ひょっとすると地球上から人間が消えてしまってもカブトエビは悠々と生き続けるのかもしれませんね。
学研の付録は実は壮大な世界を子供たちに与えていたんですね。

by m-louis : 2009.08.01 06:54









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