2005年08月08日 (月)

すまいにおける Flickr!、Fotologue におけるすまい

Nakatani's Blography にて「すまいにおける写真、写真におけるすまい」というミニシンポジウムが10/14(金)に開催されることが予告されている。パネリストに植田実氏(住宅建築評論家)、高梨豊氏(写真家)を迎え、司会が中谷礼仁氏(建築史家?)とたいへん興味深い催しである。が、生憎その翌週なら東京ではなく横浜に仕事で行く用もあるのだが、その一週前とはちょっとタイミングが悪かった(泪)

シンポジウムのテーマである「住宅写真」といえば、一応、我が家でも建築写真専門ではないものの、友人のフォトグラファーにお願いして新築時に撮影してもらっている。また自分でもデジカメで数え切れないくらいの量を撮り、友人に撮ってもらった写真と合わせて Fotologue.jp という写真ギャラリースペースに公開している。
Yanaka*M3cフォトログ1F編」「同2F編」「同3F編」「同屋上編

で、ご覧になればわかると思うが、この Fotologue.jp、全編 Flash のゴージャスなインターフェースで、たぶん私の写真というよりもそのグランドデザインに惹きつけられる人は多いんじゃないか?と思う。事実、私も最初はそうだった。家の写真をアップしたあとにも日常撮ってる写真を別口でアップして最初のうちは楽しんでいた(あまりその URL は告知してないけど)。が、何だかいつの間にか飽きてしまったのである。

確かに Fotologue.jp に写真をアップすると、自分が撮った写真がそれ以上のもののように見えてしまう錯覚にとらわれるのである。それは言ってみれば下手な絵でも額に入れると良く見えるという論理と同じであろう。だが、それは自分の写真だけでなく、他人の写真も同様で、Fotologue.jp のトップページに行くと人気ランキングだとか新着だとか幾つかソートが掛けられて他のユーザの写真も見ることができるのだが、何だかどれもこれも似たような写真に見えてきて、結局他人の写真はヌード写真のような際立った写真しかクリックしなくなってしまったのである。それはもうほとんどただのポルノ写真を追い求める感覚と違いはない。

そんな Fotologue.jp に飽き始めてきた折(というか、ひょっとするとそれは Flickr! を始めたから飽きたのかもしれないが)、Flickr! という写真共有サービスを始め、私はそれにすっかりハマってしまった。この Flickr! というのは、これまた見てもらうのが一番早いと思うが、サイトとしての精度は高いものの、Fotologue.jp ほどクールなインターフェースというわけでもなく、Yahoo! が買収してるだけに Yahoo! テイストも若干感じられる誰にでも取っつきやすいデザインのサイトである。そして一枚一枚の写真も額に入ったというよりはブログで見掛ける写真のようなノリで、淡々と見せる仕掛けになっている。ただ、Fotologue.jp と一番違うのは Flickr! は写真ギャラリースペースではなく、写真共有サービスだという点である。Tags の機能など世界中の写真とキーワード一つでポンと繋がり、気を許すとつい数時間ボーッと色んな写真を辿ってしまう危険性すらある。特に私は中近東関係の怪しい写真を見てるのが好きだ。

と、そんな Flickr! の素晴らしい共有機能であるが、ここではそれを Fotologue.jp と比較してどうこう言おうというわけではない(そもそもサービスの目的が違うのだからそれを言っても仕方ないはずだ)。それよりも私が着目したいのは、さきほども触れた Fotologue.jp の額縁に入れられたような感覚(錯覚)についてである。おそらく私が Fotologue.jp に飽きてしまった一番の理由がここにあるような気がしてならない。
みんな同じ写真に見えてしまうこと。対して Flickr! の写真はどこかレポート性を持った、そして同じ撮影者の写真を何枚か見るとその撮影者の個性が何となく見えたような気にさせてくれる、額縁化をうまいこと回避したインターフェースなのだ。

ここまで読むと察しの良い方は気付かれることだろう。私が額縁感覚を建築雑誌の写真においても同様に抱いているということを。正直、私はある時期から建築雑誌というものをすっかり放っぽり出してしまった。それは建築写真の専門カメラマンが撮った優れた建築写真が収録されているにもかかわらず、どれもこれも同じような写真に見えてならないのである。もちろん建築に携わるプロであればそんなことはないのかもしれないが、少なくとも私のようなヘタレ施主の多くは似たような所感を持ち合わせているのではないだろうか?(そして同様に「建築雑誌」という存在が真新しかった頃はスゲー!カックイーと息を呑んでいたのではなかろうか? それこそ Fotologue.jp のように)

そして話は振り出しに戻るが「すまいにおける写真、写真におけるすまい」ではどんな話が繰り広げられるのだろうか? 私はそれを「すまいにおける Flickr!、Fotologue におけるすまい」と読んでみたくなったのだが、実際の話の流れは如何に?
いずれどなたかのシンポジウムレポを見つけて、赤恥覚悟でTB送りたいものである。

□◇
Flickr! の badge 機能を使って「yanaka」セットの写真を出力してみた。

www.flickr.com
yanaka
m-louis'
yanaka
招待制ではないので、興味ある方は是非登録してみてください。

by m-louis : 2005.08.08 04:33
comment

中谷さんのは平日なんですね。。。多分行けないだろうなぁ。残念。

ところでflickrわたしもすごく楽しんでいます。なんだかシンパシーを感じられる人たちとのコンタクトが多くてすっかり溶け込んでます。

m-louisさんから勧められて、こういうものにはすごく選択に迷うはずのわたしがすぐに入れたのは、色々な要素がからんでます。まずは、大好きなみつばちのグループのすばらしさかなぁ。管理人がステキです。これはいつかわたしのblogで書こうと思います。m-louisさんには感謝ですよ。

そして、シンプルなインタフェースです。写真フレーム無し、地の白が本当に魅力的ですね。あと、言語も好きです。多言語が使用できるので、コメントにいろいろ混ざるのがとても嬉しい。

書きたいことは山とありますが、初めて写真がおもしろいと思いました。m-louisさんは中東ですか、、、わたしもアルメニアとかを実はよく見ています。

デジタル、アナログ、フィルム、批評ありで盛りだくさんのflickrは当分目が離せません:)

by mitsubako : 2005.08.12 13:10

ど〜も(笑)。最近、proに変更しました。

ブログでもFlickrが面白いとエントリーしたところです。

(日付がでてませんが昨日です)

あまりにも偶然なので、コメント入れさせて下さい。

by J16 : 2005.08.12 18:29

>mitsubakoさん

Flickr! に関しては私よりも先に pro 登録されたり、それに何よりも英語の壁が mitsubakoさんにはないってところが羨ましいところです。

中東系、ヤバい繋がりに行ったらどうしよ〜と Contact にも Favorite にも入れてないんですが、まあ、とにかくヤバい写真が多いです。あまり写真的感動はないですけど。。

それと話はまったく変わりますが、masaさんの「東上野を歩く」のコメントで mitsubakoさんのことを話題にしてしまいました(^^;)

http://mods.mods.jp/blog/archives/000605.html

>J16さん

早速 Contact 付けさせてもらいました。

しかし、Contact 一人も付けられずに pro 登録されるとは!

私は Max200枚に達してしまったもんで、pro登録したという感じです(汗)

by m-louis : 2005.08.12 19:11

ありがとうございます。Contact、その他もよくわかってません(^_^;)

by J16 : 2005.08.13 01:38

あらま、mitsubakoさんの噂してたのを、こちらでバラしてらしのですね(^^;

コメント欄を使わせていただきましたので、ついでに…。

Flickr!って、沢山写真を登録できるわりに、動きがトロくありませんか?海外のブロガーの間では定番って感じで使われていますよね。で、僕も興味はあったのですが、「クリックしては待つ」っての感じにやられ、使用するに至っていません。m-louisさんやmitsubakoさんのマシンでの動きはいかがなものですか?

by masa : 2005.08.13 22:28

>masaさん

ただいま総領に帰省中=モデム接続中です(汗)

Flickr! ですが、確かにたまに固まるときあります。

世界中から秒単位でアップされてるのでやむを得ないのかな?と思いつつ、

サクサク動くときもあるので、今のところ気にせず使ってる感じです。

ただ、そのサクサク動くときってのが世界照準なだけに読めないんですよね。

国内照準であれば夜中の23時頃〜とかある程度読みやすいんですが。。

でも、さきほどはモデムでも不思議とサクサク動くようです(^^;)

>J16さん

Contact 等はまた大阪に帰ってからででも。。

by m-louis : 2005.08.14 23:19

僕は、山口に居るときはダイヤルアップも諦めます(^^;

ところで、なるほど、確かに、照準の定め方が難しいですね。

by masa : 2005.08.15 02:54

@masaさん:わたしはつい最近光に切り替えたばかりなので、何をやっても速い!と感動中。flickrはとにかく世界中で瞬時にアップが続くのであのシステムがあれだけ動いているだけでもちょっと驚きかもしれないと思います。わたしはアップしていてもそれほど今のところ遅いと思ったことはないです。だんだん、友だちのアップ時間がわかってきてその時間頃がたぶん、それぞれの国のラッシュ時間かなぁ?なんて思ったり。わたしはちなみ早朝アップが多いで。朝にあげておいて公開をせずに、合間をぬってタイトルとかtagとかを書いて時間をみながら公開にしています。

@j16:さっそくコンタクトありがとうございます。

by mitsubako : 2005.08.15 10:07

masaさん、mitsubakoさん、はじめまして

私も光に切り替えたばかりで、速いです。

masaさんの話題、こちらでもでてます。

http://flickr.com/photos/j16/31730606/in/set-718928/

by J16 : 2005.08.15 13:27

j16さんはじめまして、mitsubakoさんこんばんわ〜

れれって感じです。ま、m-louisさんには、いろいろと気にかけていただき、ほんとに感謝してるんですが…。見てますと、変なしがらみ無しでカラッとした感じがして良いですね。折角インターネットなんだから、鎖国ブログなんかやってもな〜とも思いはじめました(^^;

僕の接続環境は、集合住宅用Bフレッツというタイプでして、いちおう光なんて宣伝されてます。が、実は、光ファイバーが使われているのはMDF室[電話線の基盤がある場所]まで。そこから各戸までは電話線を使用する、VDSL(ADSLの親戚)というサービスです。

by masa : 2005.08.16 00:04

m-louisさんのblogの存在をうっかり忘れかけていたnodocaです。失礼しました。(Bookmarkしました)

fotologueの額縁感覚のお話、とても興味深く読ませていただきました。私もfotologueサイトを持っていますが、ちとうまく撮れた写真のみアップしています。(今は例のラブ写真がトップです(笑)

http://fotologue.jp/nodoca/

単純に「アップロードが面倒」ってのもあるのですが…やっぱりFlickrがお手軽で。

それを「建築雑誌における建築写真」に置き換えられてられますが、私はあまり建築雑誌を手に取らないのでそこまで読み取ることができません。(こう広角レンズで見上げてみたりアングルや技法が画一的ということでしょうか?)

そんなわけで、これからもFlickrでのお写真、楽しみにしております!

j16さんはm-louisさんのお知り合いだったのですね。

あらためまして、よろしくどうぞ。

by nodoca : 2005.08.16 01:44

@nodoca:こんにちは。ここにみんな大集合ですね。nodocaさんの写真はその名のごとくのどかで癒されます。

@masaさん:待ってます!是非flickrでもあの味出してくださいね。この頃、古い住宅を見ると、kai-wai散策風タッチと呼んでいます。

あっ、でもまたぜんぜん違うイメージも見たいような。とにかくお待ちしてますね。

by mitsubako : 2005.08.16 10:33

mitsubakoさん、なんだか、ここがFlickr掲示板になったみたいですね(^^;

Flickr始めたら、ブログの更新がストップしちゃいそうな気がします。本来、文章が苦手だから写真撮ってるようなものですし…。Flickrがぴったりなんですよね〜〜(^^;

by masa : 2005.08.16 23:29

いやはや私の帰省@留守中にここが Flickr! 掲示板になってたとは吃驚です(^^;)

>masaさん

masaさんの Flickr! 以前から見たい!とかねがね思ってました。

ただ、幾つかの障壁があるのもわかりますし、Flickr! 始めたらブログの更新ストップしちゃいそうって心配もわかります。事実、私もそうなりかけてますし...(^^;)

>mitsubakoさん

今まで何も考えることなく、アップ後にタイトルを書き換えてましたが、非公開にして写真と同時にタイトルも見せるという技があったんですね。まあ、私の場合、さほどタイトル凝ってないので(凝れるほどの英語力がない)、一斉アップのインパクトはあまり求められてないのですが。。

>J16さん

その後、コンタクト増やされてるご様子。私も最初のうちは戸惑ってましたが、今はブックマーク感覚で興味深い写真を続けてアップしてる人のはどんどん Contact 付けてます(もちろん Family/Friend にはチェックせず)。

それにしてもあの写真は masaさんの写真の手前が解明された感覚で面白かったです。

>nodocaさん

nodocaさんとこちらでお話しできるとは何だか不思議な感覚です。

ちなみに nodocaさんの fotologue は既に拝見しておりましたよ!

fotologue、確かにアップの手間も掛かりますね。

ところでこのエントリーの本題について触れられてしまいましたが(笑)、

対比していた関係をその流れで続けるならば

・すまいにおける写真:写真におけるすまい

・Flickr!:Fotologue

・住宅(つくる・すまう)レポート写真:建築雑誌の住宅写真

という捉え方でシンポジウム内容を勝手に予測しておりました。

「建築雑誌における建築写真」にはある一定の写真スタイルが出来てしまっていることは確かだと思いますが、私の中ではそのことと連動する問題として「建築雑誌の〜」というフレーミングそのものが「建築雑誌の写真がどれもこれも同じような写真に見えてならない」ということに繋がってしまうのではないかと思ってます。

by m-louis : 2005.08.17 01:56









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