2006年03月07日 (火)

山門不幸

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今回の谷中滞在では家族単位で谷中をふらつく時間が多かったのだが、その間に何度か目にしたのがお寺の出入り口に立てられた「山門不幸」という立て札だった。当然疑問に思って谷中在住1年半の両親に聞いてみるも、どちらも知らないわからない。

というわけで、帰阪してからググってみたわけだが、都合良く谷中に住んで何年というおぐにあやこさんの「おぐにあやこの行った見た書いた」というブログにそれに纏わることが書かれていたので一部引用させていただくことにした(といってもおぐにさんも検索による情報とのことではあるが)。

なんと。
そのお寺のご住職が逝去された時に立てる札なんだと。
いわゆる「喪中」というわけ。

他の検索結果も大体似通ったことが書かれていたので、この意味で間違いないだろう。
知ってみればなるほどだけど、ググるまではそういう意味を持つのでは?という予測が情けないことにまったく付かなかった。むしろ「山門不幸」と書くことで、人が無闇に入ってこないようにしてるんじゃないか?とか、基本的に不法侵入防御策のことばかり想像していた。自分の素性が知れるというものである(汗)

ところでおぐにさんは「毎回同じ寺院に立っているわけではなく、今日はここ、昨日はあちら、という感じ。でも必ずこの看板を1回は目にするような気がして」と書かれているのだが、私はこの2日間で妙にたくさん見た気がしたんだけど、どういうことか?
まあ、こういうものは2つ3つ見ただけでもたくさん見たような気になるので、単にそれだけの話かもしれないが、ひょっとして亡くなった住職と同じ宗派のお寺もこの立て札を出すということなのか? それとも喪に服す期間が長くて他と重なったのか?
その辺は寺関係者の伝手を頼りに、のちほど補記としたい。

[補記]
その後、山門不幸についてその筋の友人から話を聞くことができた。
まず2日間の間で妙にたくさんの立て札を見たような気がしたのは「おそらく偶然が重なった」からではないかとのこと。ただ、不思議と「今月はお寺さんのお葬式が多」いらしくて、「なぜか、お彼岸に集中したり、お盆の暑い時期などに亡くなる方が集中する・・・など、不思議に思うことがままあります。また、1件葬儀があると、立て続けに葬儀があるなど連鎖反応が起こるのも事実」という興味深い話も聞くことができた。

また、立て札の出されている期間については「葬儀が終われば札ははずされるので、亡くなってから葬儀が終わるまで札は立てられ」るとのこと。「ただし、一般家庭のように、すぐに葬儀が済む場合と、密葬と本葬を執り行う場合があるので、たとえば、とげぬきさんの場合はその間8日あまり、(中略)さらには長い場合だと本葬までの間、半年に及ぶ場合もあり、その葬儀の規模によっても様々」ということらしい。

ちなみに「正式にはいつに誰が逝去した云々の内容をも立て札には記載する」とのことで、それは札の裏側に書かれるということだろうか?
↑と書いたら、今回色々教えていただいてる友人から
「立て札の裏側には一切何も書かず、すべて表に記載されます。したがって「山門不幸」のみの立て札は略式だそうです。」というツッコミをいただいた(笑+多謝!)
いずれにしても山門不幸の立て札を見たときには、手を合わせるくらいのつもりでいた方がよいのかもしれない。

【写真】2006.03.07 13:35 谷中1丁目・長運寺

by m-louis : 2006.03.07 13:35
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2006年12月20日 04:21
アトリエ アラン ウエスト: 谷中の床の間
excerpt: アランさんのアトリエにはこのブログでもお馴染みの mitsubakoさん、flickr 仲間でこの日が初対面だった(と...
weblog: 谷中M類栖
comment

はじめまして。旧ブログにコメントをくださっていることに気付き、あわててうかがいました。新ブログも解析を入れたら「山門不幸」のサーチワードで来られる人がコンスタントにおられて、やはりみなさん、気になっていたんだなあ、と思った次第です。こちらのブログで、「山門不幸」について、ようやく詳しい事情が分かり、腑に落ちました。
谷中の近くに住んでいるので、やたらと「山門不幸」をあちこちで見ていた気がしますが、よくよく考えれば、それだけ頻繁に散歩していただけのことなのかもしれません。とっても勉強になりました。感謝です!

by おぐに : 2006.04.04 23:58

>おぐにさん
コメントありがとうございます。
このエントリーを書いていたときは「山門不幸」でググると旧ブログの方が先に出てきてましたが、今は逆転したようですね。というか、なぜかうちのブログが一番最初に出てくる(汗)

でも、個人的にはおぐにさんのエントリーをきっかけとして色々調べることができました。それも谷中の近くにお住まいということで親近感も持てて、取り上げさせていただきました。こちらこそありがとうございました。

by m-louis : 2006.04.05 17:48

お久しぶりです。ご存知の通り、なぜかドイツにいます。
しかし、こちらでこの写真を見るとハッとしますね。先月(先々月?)、長運寺のご住職がお亡くなりになりました。最近お会いしないなと思っていたのですが、突然のことでした。ご冥福をお祈り申し上げます。「山門不幸」の立て札は、それ以降、僕が出発する先週にも出されていました。
以上、ドイツより報告でした。

by satohshinya : 2006.04.14 00:00

>satohshinyaさん
ドイツで長運寺の「山門不幸」の立て札を見るというのは、確かに不思議な感慨に立たされそうですね。しかし、これまではすべて憶測で話が展開していましたが、ここで完全に事の次第が実証されました。私はまだ谷中のお寺さんのご住職で直接面識があるのは一乗寺さんだけなんですが、面識がないとはいえ、長運寺はこのブログの「谷中界隈散策・探検」カテゴリのヘッダ画像にも写っていたりするところでもありますので、遅ればせながらご冥福をお祈り申し上げます。

by m-louis : 2006.04.14 16:42









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