2005年05月20日 (金)

新釈肖像写真

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去年、建築写真を撮ってもらったフォトグラファーの清真美さんが、今回は彼女自身の作品制作プロジェクト『新釈肖像写真』として我が家を訪問。まあ、半分は私が頼んだものなのであるが、モデルは私の両親である。

彼女の制作スタンスとしてはモデル希望者の自宅に出向いて、その生活環境の中で絵作りをしてポートレート撮影をするというもの。基本的にその絵作りは彼女自身がここで撮らせてくださいと押しつけるものではなく、あくまでモデルとの対話の中でどこで撮るべきか、どんな家具を配置するか、どんな衣装を着るべきかなどが決められていく。即ちどことなくモデルとフォトグラファーの関係が施主と建築家の関係に近い。

1週間前にすでに両親と彼女の3人でロケハン&打ち合わせは行われていて、両親を結ぶ一番大きな要素は「音楽」だから1Fのグランドピアノの前で撮ろうという話でまとまっていた。それ以外にもふだん使われることのない骨董モノの古茶碗などが並べられ、こんな機会でもないと値打ちモノは陽の目を浴びないのだな〜と改めて実感。
結局、器の類ってがさつに扱って割れても気にならない安物の方が使い勝手も良くなってしまった時代なのである。

ちなみに私は撮影前後の準備と後片付けだけ手伝い、本番の撮影時間は2Fに退散。それは清さんから事前に撮影時はモデルと自分だけにさせてほしいと言われていたことでもあり、また私もそのつもりでいたことである。その感覚というのは、おそらく「家作りブログ三角形」のエントリーでも触れた「人と人との間でモノを作るということがそう簡単なものではない」といったことと関係するように思う。

とはいえ、2F書斎の階段から一番遠い部屋に居たにも関わらず、ときおり3人が爆笑してる声が聞こえてきた。両親共にああいう形でモデルになるのは初めてのことだったに違いないが、清さんと清さんのカメラがそこに持ち込まれたことで濃密な楽しい時間を過ごしていたようだ。撮影終了間際に1Fに呼ばれ、なぜか私も加わった写真を撮られたり、あと私が清さんを撮ったりとしばし記念撮影タイム。ひとまず見せられたポラでも、我が両親がモデルながらかなりいい写真が出来そうだという予感たっぷり。現像後のレタッチで何ヶ月か掛かるとのことだが、仕上がりが非常に楽しみだ。

家が完成した施主の皆さん、または何らかの理由で家の解体を余儀なくされた方など、是非是非、清さんの『新釈肖像写真』モデルとなってみませんか? そこに住人がモデルとなって入ることでその空間がまたひと味違ったものとして(プロジェクトの性質上、ある種、濃縮還元されたような形で)切り取られ、そして後世まで残せるものとなることでしょう。サイトの Contact のページにもありますように、現時点では撮影協力のお礼ということでA3サイズ程度の完成写真ももらえるのだそうです。遠方の方は交通費などが応相談になるかもしれませんが、本人はどこでも行くよ!と言ってましたので。。

ちなみに冒頭の写真は撮影場所を反対側から撮った撮影準備中の様子です。
あと、清さんのモデル募集の件は私が仲介役になっても構いません。もしいきなりメールするのに抵抗ありましたら、ひとまず私の方にコメントください。

by m-louis : 2005.05.20 12:21
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