2005年02月20日 (日)

家と命

直接家作りとは関係ない話だが、友人のブログ・コメントスペースで友人の誕生日に祝いの言葉を贈っていたとき、その友人が面白いことを書いてコメントレスしてくれた。

ひめごと波乱万丈な日々報告」より考えてみると、誕生日というのは、お母さんが大変な思いをして生んでくれた日なわけで。今日は休暇をとって一日フラフラ出歩く予定ですが、帰ったらちゃんと長崎の母に電話してご機嫌をうかがいたいなと思います。

正直、この話は目から鱗というか、言い得て妙の話である。うちの母は趣味がプレゼントといっても良いような人なもんで、つい反動的になってしまって、何やかんやと理由をつけて貰うことを拒絶する態度を示して来ていたのだが、こういう逆転の発想があったとは! というか、これだったらば何の抵抗感もなく親に対して素直に感謝の気持ちが現わせられるような気がする(玉川上水で入水心中したなよっちい文豪は違うかも知れないが)。というわけで、母の誕生日はもうすぐだが、それは妻に任せるとして、自分の誕生日には両親に対して何か考えてみたい。というか、まだだいぶ先なんだけど、なんだかそれはちょっと楽しみになってきた。

それからこれはバカバカしいといえばバカバカしい話なんだけど、今、「ズバリ言うわよ!」で何かと茶の間を騒がせてる占星術師(?)の細木数子女史。別に彼女の占いを信じる信じないはどうでもいい話なんだけど、たまたま夕食時にTVのチャンネルをいろいろ回していたら、いつものように何かの相談を受けてる彼女が出て来た。途中からしか聞いてないので、事の子細は掴めないが、相談者は家の新築後に何かと悪いことが起きているらしく、それでどうしたら良いかと細木に相談している。すると彼女はこんなようなことを言った。

あなたたちは自分の家を新しくするにあたって、先祖の墓も新しくしたのか?と。それに対し、質問者が特にそうしたことはしていないと言うと彼女は例のセリフに続けて、3年以内にあなたたち家族のうちの誰かが死ぬわよ!と捲し立てた。

コレ、今回の家作りに当たって私が一番心配してることなのである。よく新築・増築などするとその家の誰かが死ぬという話は耳にすることが多い。実際、私の祖母が脳梗塞で倒れたのも増築直後であったし、またこのブログでも一度書いてる親戚筋のうちの一人も4年ほど前に大きな屋敷を構えた直後に呆気なく亡くなってしまった。

私自身は迷信は何もかも信ずるという質ではないが、しかし、多くの迷信には科学的根拠に照らして説明可能な物も多く存在するという風には思っている。この話も同様で、まず何よりもその大きな理由は環境の変化であり、次いで一仕事(それもとても大きな)終えたという安堵感から来る気の抜けという理由などが挙げられるだろう。それに加えて、うちの場合、父は高齢であり、母はただでさえ心臓が弱い上にわざと自分の身を苛酷な状態に置いて何かを訴えようとする自虐的なところがあり、それによりますます自分の衰弱化を進めている。そんなもんだから、私はこの家を建てるという話が出たときからそのことが一番の心配で、何か起きたときのことは常に頭の片隅というよりは中心部にどーんと座ってる感じだったのだ。そして、そのことは今もまったく変わらない。だから、今回の細木の予言には彼女がどうのという問題以前に過敏に反応してしまうのである。

この件に関して彼女の考え方は至って明快で、即ち先祖から引き継いだ遺産で新しい家を建てた場合、それは先祖の恩恵で建てられているものなのであり、そのことに気を掛けずに地鎮祭なり上棟式なりをやったところでそれは単に自分たちのためだけの儀式であって、先祖に対しての感謝を示したことには全くならない。それを怠ればそれだけの罰が下るというわけである。

まあ、ここで先祖の霊魂を信じるか信じないかの問題は置いておくとして、家作りという重たい事業を成し遂げた後、一応、開眼供養はやっているが、それはあくまでお坊さんにいらしていただいての、ある種、日常のなかで行われた儀式のようなところがある。正直、細木数子の言葉を受けてってことにはなってしまうが、今にして思うに家作りという先祖の存在があったなればこその事業の後で、そうした受け身の儀式だけでは足りてない気がしてきてしまった。やはり自らの手足、頭を動かして能動的に何かをせねば! その内容は個々人によるのだろうが。。

by m-louis : 2005.02.20 06:43
comment

数子、過激だな〜。

私思いまするに、ご先祖様を忘れず、感謝する気持ちがあれば良いのだと思います。ワレワレ長崎人はお墓&墓参りが生活にわりと密着している人種なので、お墓参りはよくしますが、一番大事なのはカタチより気持ちだと思います。

よほどお墓が荒れ放題なんて場合は論外ですが、なにも墓を新しく建てなおせなんて、そんなこというご先祖サマもいないと思うんですが。どうなのかなあ。

今年の自分の誕生日、夜に母に電話することはしたんです… でも、自分から何も言い出さないうちに「今日だよね。おめでとうございます。どっか行ったの?」と先に母に話をふられて、「うん、ちょっと。いま帰ってきたよ」となにげなく流してしまっておしまい。トホホ 再来月にでも帰省した際には家事を手伝ったり、タイマッサージを施したりして遠まわしに孝行しようと思います…。

by ゆき姫 : 2005.02.22 15:38

記念の石は建てないがいい ただ年毎に

薔薇の花を彼のために咲かせるがいい

なぜならそれはオルフォイス あれやこれのなかの

彼の変身なのだ ほかの名前を

私たちは苦しんで求めることはない 歌うものがあるとき

それは必ずオルフォイスだ 彼は来て行く

時たま彼が二三日 薔薇の花より生き永えるとき

それはもう大したことではなかろうか?

『リルケ詩集』富士川英郎・訳/新潮文庫

以上は中沢新一著『僕の叔父さん 網野善彦』の巻頭で引用されたものなのですが、私も基本的にはこうした記念碑(=墓)ありきというよりは、個々人の気持ちの持ちようであり、ときどきそれを考え蘇らすことの方に重きを置いてます。その意味ではこのブログ自体そういう趣旨が多分に含まれ、加えて次に予定しているエントリーはまさしくそれを実践したものとなるでしょう。

そういう意味で細木数子の言ってることはホンマに過激やな〜って話なんですが、ただ、家作りっていうプロジェクトは本当に精魂使い果たすくらいの一大行事なもので、それを成し遂げるとつい自分らで全てやったんだ〜って気持ちになってしまいがちなものです。実際、私自身、細木の発言を見てるときに、ふと自分もそういう錯覚に陥ってるかも?と思わさせられました。なので、そこで一旦謙虚に自分を見つめ直す場を与えてくれたという意味では彼女に大変感謝しております。

しかし、誕生日逆プレゼントは電話だとなかなか照れくさくて切り出せなさそうですね。私の場合は両親が二人でやれる何かを送ろうと思ってますが、その何かはまだ全く思い付いてません。まあ、それを考えるのが楽しいところなので、たまにはプレゼントってのもいいのかな〜と思ってます。

by m-louis : 2005.02.22 18:23

こういうトコで眼球から液体が発生しかねない

お年頃なのでグッときます.

生きてるうちになんとかせにゃと思いますね...

by rattlehead : 2005.02.22 20:42

>rattleheadさん

そういえば rattleheadさんのご年齢って全く予測不能であります。

garaikaさんや朝妻さんは間違いなく私より年上と思っていてその通りだったんですが、ひょっとして年下かも?(そうじゃなかったら失礼!)って思うこともしばしばあります。

あ、でも、それはガキっぽいってイメージじゃなくて、若者から高齢者がチェックしそうなものまでくまなくアンテナ張られてるな〜という意味で、見当が付かないって感じなのです。

でも、私は garaikaさんからは garaikaさんより年上って思われてたらしいんですよね。老人の話がたまに出てくるからだろうか?と思ってはいるのですが、、

by m-louis : 2005.02.23 02:42

ウチの場合、母がこまめにお墓の手入れをしており、先祖はあたたかく見守ってくれていると信じています。

もともと、先祖が子孫をつらくさせるようなことをわざわざするということが想像できません。少なくとも自分の先祖にそんなことをする人がいるわけがないと勝手に思い込んでいます。もしそういうことをするのなら、自分が死んでから、そういう祖先にやめてくださいと頼み込みに行こうと思っているくらいです。

ただ、家が無事に竣工したならば、災厄云々を意識してではなく、感謝の意を込めて、いつもより念入りに供養したいと思っています。

m-louisさんの年齢プロファイリングに失敗した私は当然、rattleheadさんの年齢は分かりません(笑)。

あてずっぽうでいえば、m-louisさんに近い年齢ではないかと。

by garaika : 2005.02.23 08:39

ダメダメ...!と思いつつも割り込んで来ちゃいました(笑)

皆さん、年齢プロファイリングしてるんだ-!ヒヤヒヤ。

私はあの人年上なんだろうなと思ってたら年下だった、ということが多いので(自分の年齢を自覚してない...)案外皆さん年下だったりするのかな、と思ってました。わりと年齢バラバラのようですね。

私の年齢プロファイリングでも、rattleheadさんの年齢はgaraikaさんの意見と同じなのですが。

上のgaraikaさんのコメント、私も同意見なのですが

「もしそういうことをするのなら」以降の発想は全くありませんでした。

さすが!ですね。

by ノアノア : 2005.02.23 17:25

日本だけなのかは知りませんが、一応女性に年齢尋ねるのは失礼という風潮があるもので、ノアノアさんのことは触れなかったんですが、御自分から乗り込んで来られるとは!(笑)

ブログ上で自身のプロフィールを明示するかしないかは人それぞれでいいんですけど、施主ブログの場合ですと読者としては多少知りたい気分になることがあります。やっぱり一つ一つのブログが貴重な事例となっているので、その前提条件として何歳くらいの人が住もうとしてるのかとか何人で住もうとしてるのか、あと、場所もある程度のところで構わないんですけど、知りたくなります。下手にわかりやすくし過ぎて変な人が覗きに来られてもそれはそれで困りものですが。。

by m-louis : 2005.02.24 02:20

ワタシも施主年齢は結構気にして見るタイプです.

20代で建てる〜なんて見ると驚愕のあまり一気に老け込んだ気分に

なりますが...

by rattlehead : 2005.02.24 17:11

どうも!朝妻です。

「家と命」

ものすごーく、いい話に浸っていると

そのコメントではなぜか年齢当て合戦になっていた。

私の年齢はプロフィールに書いちゃってますので偽りようがないですが

たぶん、ノアノアさんとは同世代のような気がしているのですが・・・。

SEIKOちゃんと吉川晃司が似ているとはどうしても思えない!

by asazuma : 2005.02.25 19:51









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