2004年10月01日 (金)

うなぎの丸井

うなぎの丸井言問通りには「丸井」という鰻屋がある。
根津駅から商店街を上っていく途中左手側(我々の家と同じ側)にあるのだが、我々は谷中で土地探しを始めた頃から気にはなっていた。なぜって我々の苗字もまた「丸井」なのだからして(笑)
しかし、何はともあれ鰻屋の敷居は一般庶民には高く、土用の丑とかお客のもてなしとか何かしら鰻を食べても許されるようなきっかけでも見つけないとそうそう食べられるものではない。そんな我々がきっかけとしたのは、豊田さんが芸大助手時代に何度か研究室で注文することがあったらしく「遅いけど美味い丸井のうなぎ」という話を先日の打合せ時にされたことによる。ならば一度本当に遅くて美味しい鰻なのか試してみようと実は3日ほど前にも出向いてみたのだが、その日は生憎の火曜日定休でこの日が再挑戦となったのである。

で、父+母+私の3人で出向いたのだが、確かに聞いていた通り、入店したのが13時半、で、他に客はいなかったにも関わらず、鰻重が出て来たのは14時を回っていたのであった(^^;) どうやら注文受けて鰻を捌くところから始めるらしい。そりゃー時間が掛かるというもんである。しかし、待ってる間、全く退屈はしなかった。何しろお店のおばちゃんが世間話好きというか、すっかり「丸井」話で花咲かせてしまったからである。実は鰻屋の丸井でも、同じ言問通りに新しくできた「丸井」という表札の付いた我らが家のことを気にしていたのである。

041001_unagi.jpgちなみにこの鰻屋の「丸井」は屋号が「丸井」というだけで、実際の姓は「丸井」ではないらしい。ところがお客さん皆に「お金がないないっていつも言ってるくせにしっかり家を建てちゃって」と何かと言えばからかわれていたらしい。というわけで、わざわざうちがどんな家かチェックしにも来ていたんだとか(笑) それにうちの母がピアノを教える人であり、将来的にはギャラリー兼ピアノ教室云々といった話もすでに町の噂で聞き知っていた。そして話は把手へと向かう。あの把手が何をイメージしたものなのか?と(^^;)
ちょうどその話に及んだ頃には出前から帰ってきた店の若旦那も話に加わり、おばちゃんはピアノ教室だというくらいだからヴァイオリンかギターをイメージした楽器じゃないか? 一方の若旦那はいやあれは女性の体をイメージしたものに違いない、あの右肩の斜めにくねったラインは女性の髪をイメージしてるとか、そんな話に花が咲いたところで大旦那が独りじっくり焼き付けていた鰻重が出て来た。

丸井の朝顔把手の意味については鰻を食べながら種明かししてしまったが、何かこちらで一つ面白い作り噺でも打った方がよかったか? ともあれ鰻はさすがに一から作り始めるだけにホクホクと美味しくてあっと言う間に食べ終えてしまった。無造作に皿に盛られた胡瓜の塩漬けも美味しい。ただ、如何せんこの店は待たされるだけに先に予約するか、出前注文を薦めるとお店の人たちにまで言われてしまった(笑)
それと最後に付け加えておくとこの店の駐車場側の壁面一面には紫色の朝顔が蔦状に咲き乱れ、言うまでもなく谷中散策ウォッチャーたちの恰好の撮影ポイントとなっている。

by m-louis : 2004.10.01 13:28
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