2007年01月08日 (月)

ソウルの□■□□▲□■

Yongsan-gu, Seoul

去年の10月にエントリーした「△▲△▲△△▲▲」とどことなく共通性を感じる。
ソウル市南部を流れる漢江に架かる東湖大橋を渡っているときにバスから撮った写真。
丘の上の乱立状態とでも言えばいいだろうか?(個人的にはこちらの方が好きかな)。

ただ、「△▲△▲△△▲▲」の方は本当はこういうイメージを模倣したかったのかな?
一昨年11月の中欧旅行で行ったチェコのシュテルンベルク城からの風景。もちろん乱立してないということもあるんだけど、やはりその土地に堆積する時間を、ある瞬間だけ切り取ってパクろうとすると「△▲△▲△△▲▲」になっちゃうんだろうなぁ。

SAZAVA

【写真上】2006.11.23 11:15, ソウル市龍山區・東湖大橋を渡るバス車窓
【写真下】2005.11.09 09:46, チェコ Sazava・シュテルンベルク城から
【追記】乱立状態と書いたけど、よくよく考えてみたら都市部の住宅街はどこも所狭しと家が乱立してるものである。より厳密に言えば、滅茶苦茶に乱れてではなく、そこそこ整然と立っている。それは「△▲△▲△△▲▲」も同じで、ただ、ここで取り上げた三つの場所に共通するのはそれが南向きの斜面上に建てられているため、ある視点から見るとほぼ全ての家のファサードがこちらを向いて見えてしまうということである。
その点で「景観」として、町全体が問われるポイントは多くなってしまいそうである。

妻の韓国旅行記 LBGO「久々の韓国・二日目(その2)」もヨロシクちゅせよ!

by m-louis : 2007.01.08 11:15
comment

すみません、勉強不足で間違っているかも知れませんが、ちょっとコメントさせていただきます。

切妻屋根の家の出入りについて、屋根型の三角部分からの出入りを「妻入り」、屋根の軒から入るのを「平入り」といいます。日本の街並みは「平入り」を基本としているような気がします。京の町家しかり、木曽の奈良井宿しかりです。「妻入り」の街並みというか、家並みは伊根の舟屋くらいではないかと思います。

妻入りの連続した街並みはノルウエーのベルゲンのハンザ同盟の街並み(機能的には舟屋的な仕掛けかも)なんぞが典型かと思います。ある意味で「西欧的」なものなのかな。建築史的にちゃんとした理屈があるのではないかと思いますが.......新幹線から見える「△▲△▲△△▲▲」については私も違和感を覚えます。

by AKi : 2007.01.10 20:48

>AKiさん

切妻屋根の詳しいご説明ありがとうございます。

恥ずかしながら切妻屋根に関しては不勉強というより、その名称をただ漠然と受け止めていただけのほとんど無勉強と言うに近く、改めて Wikipedia でチェックして、へぇ〜となってる次第です。語句の成り立ち見てるだけでも面白い!

http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=&oldid=8435957

しかし、新幹線からの「△▲△▲△△▲▲」は玄関が正面にありそうな感じなので「妻入り」ということになるんですかね〜。それもあれだけの広範囲にわたってなので、どういう企図があってのものなのか、気になるところです。ただ、趣味と言われそうな気もなくはありませんが(汗)

by m-louis : 2007.01.11 17:00

こんにちは。
お二人には「釈迦に説法」かもしれないけど、「平入り」は太平洋側、「妻入り」は日本海側に多いことが知られています。
理由は簡単、積雪と関係があります。平入りでは、屋根に積もった雪を落とすと玄関から出入りできない。運が悪いと雪に埋もれて死んでしまう。3メートル雪が積もるようなところでは時には2Fからアクセスする必要がある。そんな意味で日本海側では妻入りが便利なわけです。世界遺産・五箇山の集落も妻入りの家並みですが、豪雪地帯ですね。

民家研究には平入・妻入の分布を詳細に調べたものがあり、住まいの地域性を物語るものとしてとても貴重です。

by hira : 2007.01.13 15:57

僕もソウルにいったとき、高速道路から、これと同じような景色を見ました。とても不思議な気持になりました。どうして不思議なのか、自分でもよくわかりませんが、生活感が前面に出ていておもしく感じたのだと思います。とても、記憶によく残っています。それに対して「△▲△・・・・」のほうも、新幹線でよく出張しますので、とても印象に残っています。神奈川県の某所だと思いますが、これについては、・・・です。

by わきた・けんいち : 2007.01.15 00:18

ところで、スパム対策の数字は、ひょっとして、なんば蓬莱の・・・あの豚マンの・・・、あの数字でしょうか?関西しか通じへんけど。

by わきた・けんいち : 2007.01.15 00:20

出典は定かではありませんが、妻入りの家はかかあ天下になると聞いたことがあります。

by ちはる : 2007.01.15 09:08

>hiraさん+ちはるさん

hiraさんとちはるさんのコメントを組み合わせると、日本海側はかかあ天下ってことになりますでしょうか(笑) しかし、屋根の形状は地域によっても本当に様々ですが、その中でも雪対策がそれに反映してくるってところは一番大きいんでしょうね。次いで台風か? ところで先日、北海道出身の友人と話をしていたら、最近は雪を溶かす屋根材が開発されて、屋上が平らな家が増えて味気ない街並みが増えてしまったというようなことを言われてました。北海道の雪って日本海側とはまたタイプが異なるように思いますが、断熱などもいち早く取り入れ、それが本州への一モデルにもなっているところなだけに、これも似たような状況を作ってしまうのかもしれません。

それにしても、平入・妻入の分布はどん兵衛の東西分布くらい気になります。

http://kaori.m-louis.org/blog/archives/2004/04/16/0036.php

>わきた・けんいちさん

実はつい数日前にまた「△▲△▲△△▲▲」を見ることになったのですが、その不思議なお気持を代弁するなら「なんじゃこりゃー?」ってヤツじゃないでしょうか?(笑)

その感覚は事の良し悪しを超えて差し迫ってくるものがあるように思います。

その理由は丘陵地という全建物のファサードが遠くから見通される可能性を持つ場所で似通った質感の建物が共通の単純形態(△や□)のもとで溢れている(ある種のミニマルアートでも見るような)ことによると思うのですが、そうすると△や□を好むモダニズム系の建築物もこのように丘陵地に乱立したら、ほぼ同様の実感が得られてしまうんじゃないかな〜という風にも思ってます。例えば安藤忠雄の初期住宅建築があの場所に乱立してても、絶対「なんじゃこりゃー?」となりそうです。

PS. パスワードの数字はもちろん大阪土産で一番喜ばれるあの数字です(笑)

ところで、わきたさんのブログ、夜中にアクセスしようとするとアクセスできないことが多いんですが、Teacup の問題なんでしょうかね。ま、うちのブログもエラー頻発で他所様のこと言えた立場でもないのですが。。

by m-louis : 2007.01.15 16:06

m-louisさん、こんにちは。
「なんじゃこりゃー?」、たしかにそんな気持ちですね。色彩もね、なんだかな〜という感じです。新幹線に乗っていて、多くの人があの住宅地には反応しているように思います。「いや、あれなに、なんなん?」という関西人(それも女性)の反応ですね。ビジネスマンは、いつも見ているから関心ないようですけど。
ところで、551はやはりそうですか。あれは、関東の皆さんにも受けますかね。こんど御土産にもっていこうと思っているんですけど。
ところで、アクセスしにくいとのこと、申し訳ありません。とはいえ、僕にもどうしようもなくて。アクセスが集中する時間帯って、なかなか難しいみたいですね。最近は、その時間帯はできるだけ眠るようにしています(^^;;。

by わきた・けんいち : 2007.01.15 18:34

>わきた・けんいちさん
ひょっとして実住民の方が見られることもあるかもしれないので、一応、フォローしておくと「なんじゃこりゃー?」は必ずしも悪意あっての表現ではないです。純粋に人を驚かす力を持っている。そこから先は趣味の話になりますので、もちろん好き嫌いというのはあるでしょう。ただ、私がこのエントリーでたぶん一番伝えたかったのはどんなに物凄い建物があったとしても、それ一軒では周囲に放つ力はせいぜい数十メートル。「なんじゃこりゃー?」や「いや、あれなに、なんなん?」に到達するには似たようなものの複数反復が不可欠ではないか?といったことなのだと思います。

551、うちの父親などはほとんど私の上京=551が食べられるといったくらいの思考回路になってます(^^;) しかし、新大阪でチルドを買うわけですが、開店が9時半なんですよね。アレ、せめて9時にしてくれれば買っていける確率増えるんだけどなぁ。
それとブログエラーの方はこちらこそコメントエラーでもご迷惑おかけしてるようで、アクセス集中する時間に寝るというのは賢い方法ですね(笑)

by m-louis : 2007.01.16 01:45

>ちはるさま
「妻」いり→かかあ天下、って連想なのでしょうかね。
陸屋根の住宅地は男女共同参画が進んだフラットな社会に近づいていることの現れだったりして(笑) 。「△▲△▲△△▲▲」なんかは、バックラッシュ・保守回帰なのかも。

>わきたさん、m-louisさん、
「△▲△▲△△▲▲」は、いつも写真に撮ろうと思っていて失敗。でもこんなに注目されているんですね。

「△▲△▲△△▲▲」には、ロードサイド・ジャパン的に極めて現代日本的な景観だと感じ、「まさに、いま、ここのおぞましいばかりのリアリティ」を感じてきました。
この景観に対する驚きと困惑は、この景観によって垣間見える"現代社会"への驚きと嫌悪感なのではないかと、思うことがあります。
同時に、あなたはあの住宅地に住むのか、それとも抗うのか、という問いを突きつけられているようにも感じます。

by hira : 2007.01.16 10:55

>hiraさん
実は先週東京に行ったもので、行きの新幹線でまた撮ってみました。そしたら、興味深いことに2棟、棟上げ中の建物があったので「△▲△▲△△▲▲」のエントリーにその画像を追加しておきました。
http://yanaka.m-louis.org/2006/10/24/1535.php

ちなみに私も「△▲△▲△△▲▲」は日本の「現代社会」を映した至って日本的な景観だと思ってます。というか、バックラッシュ・保守回帰というよりも、まさに現政権の立脚している新保守主義の出力形態にぴったりな気もしてるんですが、如何なものか。

by m-louis : 2007.01.17 02:23









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