2004年10月25日 (月)

一乗寺の中庭

第31回打合せ: 光庭(※) でも書いたように、一乗寺の塀を蔦で覆うプランで話は進んでいるので、その了解を得るため一乗寺へ。
もちろん第一目的はその承諾を得ることだが、今回、久々に座敷に上がらせていただき、初めて挨拶に伺ったとき以来の中庭にお目に掛かることできた。一乗寺の中庭は外から見えないのが本当に勿体ないくらい素晴らしくて、出来れば今回また見れないものかな〜とひそかに思っていたのだ。

一乗寺の中庭目的の話はすぐ済んだ。郵便局から帰って来られた住職さんはもう図面を見るまでもなく腰を下ろす間にOKですよの二つ返事で、一応の条件として、塀を傷めないこと、蔦が塀を乗り越えないことを挙げられたが、それらはうちの方でも当然の注意事項として考えていたことだ。で、実際に図面を見ると、あれ? ここにこんなに広い庭作れましたっけ?と塀問題よりも我が家の光庭用敷地の方に関心の的は移ってしまう。いや〜、この図面で見ると妙に立派な庭に見えてしまうんですよ〜などとこちらも冗談交じりに受け答えして、和んだひとときを過ごすことができた。しかし、まあ、豊田さんの光庭の絵見るとみんな立派な庭だと錯覚しますな(笑)

一乗寺の回廊話を終えて腰をあげるときに一乗寺の中庭の素晴らしさを母と共に口にすると、ゆっくりご覧になってってくださいと回廊に出るのを薦め、お茶まで出していただけた。矢原さんも一乗寺の中庭は初めてとあって「こんなになってたのか〜」と驚きの表情。30平米は悠にありそうな正方形の苔庭に3つの灯籠、庭石、手水鉢、蛙がバランスよく配され、飛び石伝いにそれらの間を縫うことができる。植栽も高木から低木まで多すぎず少なすぎず手入れが行き届き、無論うちでは真似出来そうもないプロの仕事。豊田さんにも見せたかった。庭だけでなく、堂内も障子、襖、天井、欄間、他様々なところに目を見張る意匠が懲らされている。さすがは1573-91年創建のお寺なだけのことはある。昔はお化け松が植わってたなんて話もあるらしいが。。

航空写真それからもう一つ我々の目に留まったのが、平成10年(1998年)に撮影された一乗寺の航空写真。我々は自分たちの土地が更地になってからの状態しか知らなかったが、それ以前の様子をここで(しかも真上から)拝めることになるとは。。飾られていた写真がガラスの額に入って暗いところにあったので、ちゃんと撮れてないが一応デジカメで撮った画像を右にアップしておく。画面の一部コントラストが極端に高められてるところがうちの敷地。血縁関係のない2世帯がその敷地に住んでたという話の通り、非常に見にくいけど家は2軒ある(見にくいので右上に簡単に図示した)。ただ、謎なのは1軒がうちのバルコニースペースのところだけに立地しており(青線三角形)、道路に接する面がないのだ。その住人はどうやってその家を出入りしてたのだろうか。まあ、昔の長屋的住まい方なら他人の家の敷地を通って表に出るなんてことも珍しいことではなかったのかもしれないが。。

タラップ帰りしな、一乗寺の住職&奥さんに手招きされ、ここからお宅のタラップが見えるんですよ!と奥廊下の方までも案内された。確かにうちのタラップが屋根の間から見える。ということは、タラップからこの場所も見えるのか?と一瞬思ったが、見えているのがタラップの上層部だけなのでそこによじ登らなければこちらは見えないだろう。ちなみにその奥廊下のうちが見えるところには坪庭というのにぴったりなサイズの小庭があり、割と午後の陽が建物の反射でしっかり落ちてきて、光庭考(※) で書いた「光庭」の意味が字義通り使える、光と風の抜ける場所なのだろうなと思った。

by m-louis : 2004.10.25 15:56
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