2004年03月03日 (水)

仮設工事

040303_1458_kasetsu.jpg建設現場として最もイメージしやすいのがこの光景じゃないだろうか?
建方(※)後の構築物を取り囲むように丸い鉄パイプで足場が組まれ、それがシートで覆われている。なぜに建設現場でその印象が強いかといえば、それはその状態での工事期間が全工程において一番長いからだろう。あの白い膜のシートは周囲環境への安全配慮はもとより騒音対策にもなるらしい。その中で今後の内外構工事のほとんどが行われる。
040303_1502_abe.jpgシートには阿部建築の名前とマークが記され、母はその明朝体のロゴが好きらしい。私もABEと丸まった感じに構成されたマークを気に入っている。

さて、そうしたシートで囲うまでの工事を仮設工事または仮設足場工事(※1)と言い、その仕事にあたるのが鳶工=鳶職(※2)の人たちである。実は彼らとは1月初めの根切り工事でも顔を合わせており、この日は嬉しいことにシートの張られた敷地の中に入れさせてくれた。

仮設工事は前日から始まっており、すでに枠組足場は組まれ、この日の午後には大方シートを張り終えた感じだった。というか、私が到着した時はシートが足りなくなったとかでシートの補給を待っているところだったのだが(^^;)、とりあえず作業中の様子をデジカメで撮りたかったので、近所のデニーズで到着を待ち(デニーズの店内からうちの敷地は見えるのである)、改めて出動。そこで鳶の棟梁の「入っていいよ」の一言があったのである。いや〜、待っててヨカッタ♪

040303_1542_wall.jpg基礎工事でコンクリートが敷かれた後の敷地に足を踏み入れたのはこのときが初めてである。
これまで土だったところがコンクリートになっているというのは、考えようによってはトンでもないことで(ある種の侵犯行為と言えないだろうか?)、しかしまあ、それが鉄骨の支えとなり、1階床面の下地ともなるのだ。まだ壁が張り巡らされたわけではないので、建物内部に立っても土が見えなくなった訳ではない。それでもやはりここまで計画し作り上げて来たものの内部に足を踏み込むと気持ちは昂揚するものだ。見えないはずの壁がその気がなくとも想像上で立ち上がる。040303_1541_tobi.jpg1階天井は外から見ていたときには低く感じられて心配していたのだが、中に入るとそんな心配も無用だったことがわかった。お寺側小階段付近に立ち『壁畫に集ふ』が展示された状態を想像する。現状だと収納・トイレ壁がなく余裕もあるが、それが立ち上がるとちょっと窮屈になってしまうか? 豊田さんは壁だけ張られると狭く感じられるが、天井や床も入るとその比率が全体で縮まるのでさほど窮屈さは感じなくなると言われていたが、そればかりは実際に体感してみないことにはわからない。

敷地内で撮影している間に鳶さんたちは鉄骨の梁・柱を軽々飛び移ってシートをほとんど張り終えてしまった。残すはタロップとお寺側のみといったところで、私は退散。


□◇
※1)仮設工事
仮設工事とは、工事現場で安全性や能率を確保するため仮に設ける設備工事のことで、作業用の足場、登り桟橋、揚重設備、通路、現場事務所、倉庫あるいは近隣や第三者に対する安全施設、騒音防止などのための施設・工作物などをつくる工事のこと。作業を行う職人を鳶職という。
以下の鳶についてもそうだが、これらの注釈は概ね豊利建設のサイト内にある部門説明文から引用しており、また仮設足場工事の各部材名称に関しては eペイントというサイトの図説がわかりやすい。

※2)鳶(とび)
鳶職、鳶工の略称で、江戸時代の「鳶の者」が語源。鳶の者とは、鳶口[樫の棒の先に鳶のくちばしの形に似た鉄製の鉤(かぎ)を取り付けた道具]を使って高い建造物の建て方などの作業に従事していた職人のことをいう。現在では、高所作業の足場組み立て、高層建造物の建て方作業、高層吊り橋の架設作業などを行う職人のことをさすことが多いが、実際には矢板打ち、杭打ちなども行うなど、その作業内容は多様化している。

by m-louis : 2004.03.03 14:28
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