2007年03月18日 (日)

文京ふるさと歴史館のスウハ曙

文京ふるさと歴史館企画展「文京・まち再発見2−近代建築 街角の造形デザイン」に最終日ギリギリで行ってきた。関連企画の江戸東京フォーラムと合わせて行ったため、実質的に展示物を観賞できたのは正味30分。曙ハウスの展示だけはしっかり観てきたものの、他の展示は流し見する程度で、幾つかあった映像展示も5秒と観られず。やはり根津教会での連携展示が行われていた時期に行っておくべきだったと後悔は大きい。

企画展では、曙ハウスの展示だけが1階にあって、エントランス入ってすぐの券売所の手前で観られるようになっていた。つまり、そんな人が居たのかどうかは知らないが、曙ハウスの展示だけ観て帰るのなら、入場券要らず(100円だけど)とも言えるのだ。観覧料取らずに観られてるあたりが、如何にも曙ハウスらしくて笑けてしまった。

久々の「スウハ曙」プレートとの対面は、それを見る視座と距離感が違うので、一概に「久々」とも言い難い妙な感覚。話には聞いていたものの、とにかくデカい! よくぞこんな大きなものを解体現場から救い出し、ふるさと歴史館の収蔵にまで漕ぎ着けられたものだと、改めて masaさんを始めとする関係者の方々には頭の下がる思いがした。

斜めに設置されたプレートの側に顔を寄せると、取り外されて1年というのに、未だに焼け焦げたような匂いがする。その匂いに何よりも胸を打たれた。建物(身体)は解体され、プレート自体(顔?)も屍として展示空間に収められているはずなのに、傍らのプレートは超然と生々しく呼吸し続けているかのようだった。畏るべし「スウハ曙」。

間取り図に関しては、neonさんが仕上げられて本当に良かったと思った。もしそれが私が書いたものでなくとも CAD図面をプリントしたもので展示されていたならば、曙ハウスの遺品や masaさんの写真、neonさんの画によってもたらされる「古色を感じさせる、でも温かみのある雰囲気」(by neonさん)は台無しになっていたことだろう。
加えて地階では設計当時の古い手書き図面を展示しているところが多く(板図の展示もあった)、それに肩を並べられるという意味でも、neonさんの描かれる味わい深い線と文字は唯一&不可欠なものであった。微力ながら、その下図作成段階で私も協力できたことは大いに光栄である。また、この魅力あふれる企画を立案され、こうした機会を与えてくださった文京ふるさと歴史館の学芸員さんにも深く感謝したい。

【写真】2006.01.22 13:26, 文京区根津・在りし日の「スウハ曙」プレート
【お詫び】「曙ハウス・リターンズ」のコメントで、私は他のブログに会場内の写真が出ていたことから「会場内撮影可なようで」と書いてしまったが、会場内にはしっかり「撮影禁止」の表示があり、迂闊にも誤った情報を流してしまっていたようである。一応前コメント上でも訂正追記しているが、この場を借りて深くお詫び申し上げたい。

by m-louis : 2007.03.18 16:48
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