2004年09月12日 (日)

平地→坂住まい

赤瀬川原平著『我輩は施主である』文庫版46ページあたりにA瀬川氏が子供時分、門司に住んでいたときの話が出てくる。門司は「港からぐんと切り立っている地形で、家の回りは上も坂道、下も坂道で、世の中はそういうものだというのが僕の基本に焼きついているのだろうか」と氏は言うのだが、そういう意味では私含め、長らく三鷹に住みついてきた我が家族は家の回りが平地であることが焼きついていることになるのだろうか。

A瀬川氏はその後、東京での活動期(氏はその時期を賃貸呼吸の頃と表現する)を中央線沿線の平地がちなところで過ごしたそうだが、その頃は忙し過ぎて子供の頃に焼きついた基本(デコボコ感覚)は忘れていたそうである。それが賃貸呼吸からローン呼吸へ変わる年頃になって再び子供の頃の感覚が蘇り始めたらしい。というか、実際のところデコボコ感覚が土地決定の決め手になったというくらいなのだ。

by m-louis : 17:06 | comments (0) | trackbacks (0)
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