May 21, 2005

橡の家−特別見学会

朝妻さんがプロデュースする「橡の家−特別見学会」に行ってきた。
場所は東京世田谷の梅丘。学生時代の友人Nノが住んでることや、「新釈肖像写真」で写真撮影に来られた清真美さんが2003年にグループ展をやっていたので多少は知っている街である。ただ、それらは共に北口にあり、梅丘の南口側を歩いたのは初めてであった。

もちろんどこを通るかでも街並みは全然異なるのだろうが、とりあえず案内に出ていた地図で「橡の家」までを最短距離で歩いてみると、何とも驚くべきことにそこに辿り着くまでの通りは「建築家住宅(by 大島健二)」が雨後の筍状態で軒並み林立している地帯であった。所謂「郊外」というほど都心から離れてもいない梅丘は新興住宅地にはなり得ない。むしろ古くから住んでいた住人が代替わりして、予算もそこそこある若いオーナーが家を建て替えるなら建築家と!という傾向になってるのだろう。

約束の時間に遅れ気味だったので、そんなにじっくりとは見てはいないのだが、ただ、これ以上「建築家住宅」が増えるとそれは壮観というよりはややもすれば食傷気味とでも言いたくなるような街並みに堕するのではないか?という懸念も感じられた。本来、周辺環境に馴染ませるなり溶け込ませるなり取り込むなりというのは多くの建築家の得意とするところだろうが(それどころかそれは家づくりの前提条件と言えよう)、周囲が「建築家住宅」だらけになってしまったらどうなるのか?──今の建築家ブームが今後も続くのであれば、そんな悩みの生まれる日もそう遠くはないのかもしれない。

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「橡の家」のお施主さん夫婦は、奥さんの「幼少の思い出の地」ということで梅丘を選ばれたらしい。敷地自体もその「建築家住宅」通りからは一歩奥まったところにあり、周辺に新しい家もあるものの、所謂「建築家住宅」があるわけではないので、狭小変形敷地の立地位置を存分に生かした周辺のちょっとしたポイントとなるような外観に仕上がっていた。私は建物の東側の道から来てしまったのだが、北側の少し坂になった方からやってきたなら(上の写真が北側から来た場合)初めて来た人はすぐ「お!アレだアレだ!」って思うはずだろうし、住人および付近住民はそれが見えてくることによって「ほっ!帰ってきた!」とどこか安心させられるような存在感をこれから持って行きそうである。私は直接見てないので何とも言えないが、夜にはガラス張りの西側一面がほんのり優しい光を壁面全体に灯すようだから、そうした心の安らぎに加えて周辺一帯のセキュリティ面での安全性も高めてくれるかもしれない。

ちなみにこの日は施主&建築ブログ仲間の garaikaさん、bsideさんとも現地で落ち合う約束になっていて、早く来られた garaikaさんはすでにご覧になられていたようだが、待ち合わせ時刻に遅れた私を待っていただき内部見学の時間を共有した。そのとき、他にも数組お客さんは見えていたので、朝妻さんは私たちも含めたいろんな方々に挨拶&説明されて、それなりに忙しそうなご様子だった。建築プロデューサーも大変だ。

室内についてはすでに朝妻さんが「感じ方ー人それぞれ」で賛否両面それぞれの見方を自分で書かれてしまっているのでツッコミようがないのだが、『ガラス張りの家って熱くないの?』の疑問は、garaikaさんも書かれているように「光の透過性のある断熱材をうまく使って、採光しつつ、断熱」することで、5月なのに夏並みに日射しの強かった午後においても無事クリアされていた。ただ、朝妻さんだけが一人、扇子片手に室内外問わず、暑い暑いと汗を拭ってられたのが笑っちゃうところではありましたが(笑)

□◇
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by m-louis : May 21, 2005 03:15 PM
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comments

どうも!朝妻です。

先日は態々、ありがとうございました。
なんだかバタバタしていてゆっくりお話ができず本当に残念でした。

ただでさえも汗っかきなうえに、ご覧のとおり坊主頭なので
直射日光を地肌に感じてしまうものですから・・・
お見苦しくて申し訳ありませんでした。

“建築家ブーム”
いいような悪いような・・・?
ブームということはもちろん終わりがあるわけですね。

“建築プロデューサーブーム”

・・・・・・・?(汗)

by: asazuma : June 3, 2005 08:29 PM

腰に手を当てた朝妻さんの後ろ姿がなんとなく満足げに見えますね。
いい絵だ。

by: garaika : June 3, 2005 11:01 PM

>朝妻さん
"建築家ブーム" はこれまた大島本からの受け売りで、真偽のほどは私にはよくわかりません。ただ、この "建築家ブーム" があくまでコンビニ的建築家のブームであるとするなら、コンビニが姿を変えながらも生きながらえているように、結構寿命長いんでは?という気もします。
でも、"建築プロデューサーブーム" は何に喩えられるのか知らないんで、長続きするのかは読めません(笑)

>garaikaさん
この写真、実は朝妻さんがどっしり構えてる向こうで建築家さんが郵便受けを何かの理由で弄られていて、その相関図がまたおかしいです。しかし、もう一度改めて見ると建物の背中側(東側)も微妙に建築家住宅っぽいですね。今の今まで気付いてませんでした(汗)

by: m-louis : June 3, 2005 11:14 PM
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