July 17, 2004

設備点検&指導

阿部建築での引き渡し終了後、豊田さんと一緒に谷中の家に戻る。この日は17時過ぎから設備設計の長田さんによる設備点検&指導を受けることになっていたのだ。
長田さんは初音すまい研究所との計画が始まる以前からうちの設備設計を見てくれてきた人で、メールでは何度もやりとりしてたのだが実際にお会いするのはこの日が初めて。年賀状で「長田!突然変異する」といって設備設計の会社から某ブロードバンド系インフラ会社に転職されるという、今年最初のオドロキを味合わせてくれた人だけに、そのことも含めてお会いできるのを楽しみにしていた。

040717_commemorative.jpgとりあえず点検の方はまだ未済工事の部分も残っていたものの、電気系統のチェック他、水回り関係もトイレの水をしばらく流しっぱなしにして、その排水音をチェックされたり、本来なら施主検査のときに我々がやっておくべきようなことまでしっかり見て廻られた。豊田さん、母、私(時々、妹、妻も)が後ろに付いて各所説明を聞きながらだったが、長田さんのテキパキと的確にアドバイスを加えて行く様は家族は言うに及ばず誰が見てても感心しちゃうんじゃないかと思う。途中、工事で居合わせた電気屋さんにも細かく指示を与え、電気屋さんの方がたじたじになっていたくらいだ。

しかし、そのおかげで心配事の一つだった LAN 配線の問題が丸く解決しそうだ。これまでの話の流れでは工事をするのは空配線を張るところまでで、そこから先の実際の LAN 配線は自分たちでやらなければならないような話になっていたのだが、そうした作業もすべて電気屋さんがやってくれるという手筈をその場で取り付けてくれた。そうした交渉手腕も見ていて天晴れであった。

尚、なぜに長田さんのような設備の専門家にうちのような個人住宅を見てもらうという話になったかといえば、それは今後エントリー予定の初音以前のプロセス上で何度か触れることになると思うが(だいぶ先の話だろうけど)、簡単にいえば1F応接室に展示する屏風作品にとって最適な空調換気システムを考えたいというところから話は始まっている。
その結果としてダイキンエアカルテットを導入することはこれまた初音との計画が始まる前から決まっていたのだが、それはそのまま初音との計画でも引き継がれ、こうして1Fの全スペースは古材の再利用などで一見古風な佇まいを見せるものの、長田さんの言葉を借りれば「めちゃくちゃハイテクなシステムの仕掛けられた」空間(※1) となったのである。
そのハイテクな仕組みに関しても詳しい説明を受け、ホホ〜と感心することしきりだったが、それについてはエアカルテットのサイトでもフラッシュアニメによる説明があるのでそちらをご覧いただきたい。

040717_1f.jpgただ、このハイテク装置の特性(※2) として、例えばこの室内に入ったときにエアコンのよく効いたところに暑いところから入って「おぉ〜、涼しいな」と感ずる、あの直裁的なわかりやすい体感性はないということを付け加えておきたい。むしろ入ってしばらくは空調の効いた室内に入った割には暑いな〜くらいに感じられてしまうはずだ。しかし、しばらくするとそこが一年中暑くも寒くもない空気の浄化された心地よい空間であることに気づく人は気づくのである。まあ、こうした話も後日、空調システムを検討していた際のプロセスを記したエントリーで改めてすることになるだろう。

余談ではあるが、1年以上も前にエアカルテット導入の方向で話が固まったときに長田さんとはダイキングッズのぴちょんくんの話もしていて、何と!そのときお願いしていたぴちょんくん関連グッズを1年以上も取り置きしてこの日に持ってきてくれたのである。これには我ら夫婦も大感動。ましてや1年前のものゆえに逆に激レア物になってたりして、でも、ここで何をもらったか書くと世のぴちょんくんファンにやっかみを買いそうなので、ここでの記述は差し控えさせてもらいます。ららら〜ん♪

040717_korean.jpg何やかや長田さんとは家族交えて記念撮影までしたりと20時近くまでお付き合いしていただくことになってしまい、母の提案で長田さん、豊田さん、我ら夫婦で晩御飯を食べに行くことに。お店は、豊田さんが以前から私の妻が上京した折には是非とも連れて行きたいと言われていた日暮里駅すぐ側の「ポドゥナム(柳)」という韓国料理屋。ユッケ、ケジャン、キムチチヂミ、冷麺を注文し、ちょっと値段は高い感じだったが(夜だから仕方ないともいえる)韓国料理にはうるさい妻にも充分満足な味。店内の雰囲気も韓国の焼肉屋をそのまま持ってきた感じで今度はお昼に寄ってみたいお店だった。
その帰り路、長田さんが車を置いていたうちの近所まで戻ってきてから「鞄をお店に忘れました」と思い出したように言われ、自分も忘れ物が多い方ゆえあまり人のことは言えないのだが、ご愛嬌までしっかり持ち合わせた人なのか〜と最後のオチまで感心してしまった長田さんとの出会いだった(笑)

尚、上記内容をエントリー前に長田さんに確認したところ、幾つか補足(※3)と指摘をいただけたので、それを追記にて記しておく。


□◇
※1)「めちゃくちゃハイテクなシステムの仕掛けられた」空間
この件に関しては長田さんからの補足説明があるので、一部こちらで手を加える形で(その部分はグレーで表示)引用しておく。

上記の点ですが 住宅としては
ダクト空調を行っている、温湿度(除湿、加湿)を設備設置している。

なかなか一般的な住宅では行っていません。
これはしっかり言ってよいと思います。


※2)ハイテク装置=エアカルテットの特性
これに関してはそれに続く文章について長田さんから次のようなコメントを戴いた。褒められ文で気恥ずかしくもあるのだが、大切な内容を含むので一部こちらで手を加えて(その部分はグレーで表示)引用しておく。

のくだりは大変感心することしきりです。
人間の感覚に対する空調というよりも 作品に対する安定した空調を目指している
そこがうまく表現されています。

当然別の部分でも記載されていると思いますが
建築構造上での細心の断熱計画が豊田さんによってなされている点も 触れておくべきでしょう


※3)補足
これに関しては本文というよりは計画自体に対する長田さんの補足だが、

この前の竣工検査でお願いしている点
とくに心配はメンテナンスですが
豊田さんからしっかりいってもらってくださいね。
設備は使いきって10年後に評価されるものだと思います。

こうした先を見た言葉って施主にとっては至極嬉しいものだ。その点においては豊田さんも完全に同じ視点に立っておられると思う。建築写真に対する考え方(※) などはその典型的な例だと思う。


by m-louis : July 17, 2004 05:04 PM
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