May 16, 2004

把手製作手伝い

040515_1719_knob.jpg玄関スチールドアの把手製作に必要な情報もあらかた揃い、製作主の義父は「いつでも始められるじゃけー」と言ってるので、週明け忙しくなる前にと1泊2日の慌ただしいスケジュール(移動時間に最低5時間は見ておかないとならないのだ)で単身総領町に出向く。

前日の到着時刻は16時過ぎ。当初は高速バスで行きたかったのだが、午前中に出る2本がなぜか満席でやむなく列車を使った。到着後一服してから義父の作業小屋でさっそくこちらから用意していった豊田さんに渡されていた図面の10倍(125%×400%×200%)拡大コピーをケヤキ材に当てて、どのあたりで切り落とすかおおよその見当だけ付けてこの日は終わった。

翌当日の本作業は追記にて。

□◇
040516_1007_knob.jpg当日は朝9時頃から作業開始。
まず型紙をケヤキ材の上に当てて何度もひっくり返しながら木目の面白い表情しているところをなるべく残すよう、木目の流線に沿わしながら私が鉛筆で薄く線を引く。040516_0938_surface.jpgついで義父がそれをもとに電動鋸で大雑把に切り落とす箇所に太い直線を入れる。その直線は材の端にまで掛かるので、材の側面に目印をつけ、裏面の割れの入ったところに切り口が掛からないか、また図面上の取り付け金具の位置がそうした部位と被らないかも確認。

050516_1042_knob.jpg問題ないことを確認すると義父は「じゃー切るけー」と言って立ちどころに大型電動鋸で材を真っ二つに切り分けた。その後、把手の左側と右側も大雑把に切り落とし、このままおおよその角を取っていくのかと思いきや、そうはせずにいきなり最もディテール部分とも云える把手の手を掛ける部分の加工に取り掛かり始めた。細かい作業をするにはある程度面が大きく重心がしっかり取れている方がやりやすいらしい。

040516_1128_knob.jpg把手の手掛け部分の加工にはまず小型の電動鋸で表裏両方から約3.5cmの深さまで切り込みを入れる。そうするのは切り口を汚さず、罅割れを防ぐためだ。ケヤキは非常に硬い部材で直径2cmくらいの厚みがあれば相当な荷重にも耐えられるそうだが、目の充所が悪いと軽くこずいただけでも罅が入ることもあるらしい。実際、両側から切り込んだ奥の接点のあたりに一部もげができてしまったが、まあ、それはいくらでも誤魔化せるレベルだったので助かった。

040516_1447_drill.jpg切り込み同士が噛み合ったことを確認したら今度は電気ドリルで手掛け部分の上下Rになるところに20mm刃のドリルをこれも両面から約3.5cmの深さまで穴を空ける。なお、この手掛け部分のサイズは図面上では縦の長さ約10cm強だったが、義父が「ここは各人の身長差を考え少し大きめに取っておいた方がエエじゃろー」ということで、上下共 2cm ほどゆとりを持たせ、14〜15cm くらいの幅は取ることになった。

原理的にはここでドリル穴が貫通すればパカッとカット部分が落ちてもいいはずだが、円形の電動鋸の刃ではどうしても完全に切り落とし切れないところがあるため、それを落とす作業は鑿で行う。慎重さの求められる仕事だと義父は言っていたが、見た目的にはかなり威勢良くガンガン鑿を打ち込んで行った。それにしても先の電動鋸で削っているときにも感じられたことだが、こうしてケヤキを削り落とす音を聞いていると本当にケヤキが硬い木であることがよくわかる。とまあしかし、そうこうしてるうちに手掛け部分の刳り抜きもあれよあれよと云う間に終わってしまった。

040516_1528_knob.jpgケヤキ板の厚みはおおよそ6.5cm。このままでは手掛け位置に手を突っ込んでも、そのまま指が伸びるだけで手前に引くということはできない。そこで指を曲げて手前に引きやすくなるよう、今度は手掛け部分の裏側を斜めに切り落とす作業に入った。
左の写真がその大まかに切り落としたあとの側面からの様子だが、ここは最初に側面に印を付けて、木を立てて側面に先の手掛け穴同様約3cmくらいのところまで切り込みを入れておいて、あとは鑿を角度を付けて打ち込んで行った。写真では右側下の切り込みがちょっと深く入りすぎているが、裏面側なのでさほど気にする必要もないだろうが、ここも後で調整しておくと言っていた。

040516_1527_knob.jpgそんなところまで進んだところで、義母が3時のおやつを持って小屋まで来てくれたので、小休止。私の帰りのバスの時刻が17:14庄原ということで、しばしそこで雑談しながらこの日の作業はここで切り上げようということになった。と言ってるところに郵便配達がやってきて、初音すまい研究所から義父が作った型紙に豊田さんの方で想定している原寸大のサイズを書き込んだ紙が届く。一応私が準備していった10倍コピーを上に載せてサイズに違いがないか確認してみたが、特に問題はないようだった。これが届くことは前夜豊田さんから届いたメールで確認していたのだが、そこには早くても月曜と書かれていたのに、前日着。どこかの宅急便と違って郵便局は優秀だね(笑)


by m-louis : May 16, 2004 09:35 AM
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comments

30日(日曜・深夜)、 NHK アーカイブス、“けやきの証言”身近な樹木の異変が物語る環境の危機・1971年”だそうです。
http://www.nhk.or.jp/archives/program/program.htm
ちょっと違いますが、ケヤキということで。。。

by: カスケ : May 30, 2004 01:55 AM
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