May 12, 2004

第25回打合せ: 丸太再検証

第25回打合せ(※) の2段落目以降から話は続く。

で、日暮里で下車して、ひとまず初音すまい研究所へ。前夜の電話で豊田さんが不在の場合は矢原さんと現場へという話だったので、その通り、矢原さんと現場へ向かうことになった。
現場に到着したのは15:30。現場には1Fに3人、2〜3Fにも5、6人は職人さんが入っていて、忙しなく仕事に打ち込まれていた。そんな中で丸太を立てて検証するというのはちょっとお邪魔感もあり、ひとまず工事現場初訪問(工事前の空き地状態のときには一度来ているが)の wtct 氏を屋上まで各階案内。母の到着を待って丸太の検証に入った。
ところが、3本寄せて設置しようとすると天井配管が邪魔になって、どうしても3本目が望むべき位置にそれを配することができない。というわけで、写真のように大変中途半端な設置状態での列柱確認となってしまったわけだが、とりあえずその状態で見る限りは重々しすぎる印象も窮屈な印象も受けないんだよね。ただ、3本目の丸太が一番太いので、この2本の詰まった感じと同じように3本目を見られないような気もする。微妙に難しいところだ。
矢原さんに意見を求めると、少しギャラリーに様々な要素が多すぎることから2本くらいに抑えておいた方がいいのでは?とのこと。ピアノがなければ3本を前間隔で置いてもいいかもしれないがと言われていた。

検証後、再び初音すまい研究所に戻ると豊田さんも戻って来られていて、wtct 氏も交えて急遽ミニ打合せが行われることになった。何だかんだ丸太以外にも話は及んだので、詳しくは第25回打合せ: 追記(※) の工事監理打合せ記録にて。

丸太を詰めることに関しては、豊田さんは模型上でしか見ておられないのだが、割とこれなら条件満たした上で空間も維持できるのではないか?と乗り気な感じ。ところが私は模型で見ると模型の丸太が若干膨張した感じに見えてしまうせいもあるのだが、急に3本手狭に並んだ様が窮屈な感じに見えてしまい、再び迷妄の闇へと落ちて行ってしまった。

打合せ後、母・wtct・私で日暮里のダージリンで菠薐草カレーを食べながら、丸太について話す。その話し合いについては追記にて。

wtct 氏は手前に来るピアノの存在をかなり強く意識しつつ、3本で良いのでは?という意見。ピアノの後ろに3本丸太が延びてる感じが面白いとか言ってたっけかな? それと打合せ中、あくまで野次とした上で、3本を線上に並べず囲むようにしたら子供は喜ぶんじゃない?と言って実際に模型で試してみると不思議とそこが林のような雰囲気になった。

母は昨夜、妹が2本だと橋みたいになると言ったことが引っ掛かりだし、ピアノ後ろの往来がしづらくなることを踏まえると2本でもいいのかもしれないという風に思い始めたようだ(ただし、母はこういうときに自分の意見という形でそういうことは決して言わない)。

私は3本を詰める案に異論はないが、その詰め方次第だなと考え始めていた。ただ、あの模型での窮屈な感じが3本にこだわる自分を問い詰める。なぜ私は3本にこだわるのか? 前夜の電話で豊田さんにも今日の矢原さんと同じように華燈窓、書院、丸太といった持ち込み組の訴える要素が強すぎないか?と言われたとき、作品や華燈窓は金猊爺さんのインテリ魂が詰まったものだが、丸太はさだゑ婆さんの故郷(諏訪)の山から切り出してきたものであり、見ての通り、野性的で祖父の知性的なものとはまたちょっと別の次元の象徴なのだと話した。それを詭弁として話したつもりは毛頭ないが、もしかすると自分の深層にそうした丸太を使い残してしまってはしのびない(勿体ない)といったケチ根性が宿っていたりするのかもしれないな?と、ふと、思ってみたりもする。

それと現場で丸太を立ち上げるときに実は右手の親指に棘が刺さってしまったのだが、それが祖父の2本にしとけ!という忠告なのではないか?と弱気な勘ぐりが始まったりもしている。


by m-louis : May 12, 2004 07:05 PM
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