数年前まで私はフライト3時間以上の飛行機に乗ると着陸後に必ず体調を崩していた。離着陸時の急激な気圧の変化に体が過敏に反応してしまうらしい。あるとき、こうした症状には耳栓が効くという話を聞き、少し調べて「サイレンシア・フライト」なる2千円近くもする耳栓を買ってみた。上の写真を見てもわかるように3層の膜を耳孔に押し込むかなり特殊な形状の耳栓で、馴れるまでは若干耳が痛い。防音効果の方はおそらく普通の耳栓よりも相当高くて、エンジン音等の騒音が抑えられるのは良いが、同行者や機内アナウンスの声などが聞きづらくなるところが困るっちゃー困る。でも、2千円の威力とでも言うべきか、これ装着して以来、飛行機による体調不良が一気に解消されてしまったのだから、海外旅行には手放せないアイテムとなってしまった。
ところで去年、iPod mini を買って間もなく、せっかくだからちょっと贅沢なイヤホンもついでに買おうと色々物色していたときに、ドイツの ETYMOTIC RESEARCH社が出している「ER6i」というイヤホンがほとんどサイレンシア・フライトと同じ形状をしているということを知った。値段は2千円どころか1万円ちょいもするものなのだが、「あのアメリカのブッシュ大統領もオフでマウンテンバイクに乗る時には必ず GIRO のヘルメットに iPod & ETYMOTIC RESEARCHのER-6i」という商品説明に魅せられて思わず買ってしまった。だって、ネオコンのブッシュが新左翼系アップルの人気製品とセットで使ってるというアンバランスさは、それだけでも「オレ、ブッシュと同じもん使ってるんだぜ!」という超アホアホネタになるじゃーないですか!!(^^;)
で、肝心の使い心地はこれまたサイレンシア・フライト同様、馴れるまでに多少時間が掛かった。ちゃんと装着すれば音は漏らさず拾ってくれるのであるが、音が脳髄に響くとでも言ったらいいか、ちょっと漏れなさ過ぎで頭が痛くなってくるのである。ただ、結果的にこれも使ってるうちに馴れてしまって、音を漏らさず拾うってだけに外への音漏れもほとんどなく、まあ、ふだんひきこもりなんでそう頻繁に使うわけでもないが、これまた旅行には手放せない必携アイテムとなっている。
そして今回のフライト計13時間の中欧旅行には一応両方持参したが、使ったのは専らイヤホンの方で、充分それでサイレンシア・フライトと同等の役割を果たしてくれたと言える。特に行きの飛行機では父と席が離れてしまった上に、同列の通路側に座った人の鼾がうるさかったので、iPod 持って行っておいてよかった〜とつくづく思わさせられたのである。なお、写真のサイレンシア・フライトと ER6i の色が随分違うのは ER6i の方が使い込んでて、耳垢というか耳油で染まってしまったのである(汗)
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