□◇
■防犯面
母と妹が特に気にしたことだが、B案のような大きな窓だと割られるんじゃ?という心配が多少なりともある。ただ、他方で母は開放窓になってた方が中で何か起きてるときわかりやすいんじゃないだろうか?とも考えたようで、その点でどちらが良いとは言い難くなっていた。
実質的には前室が閉じられた空間となっているので、中の様子を窺い知るという意味合いは割と薄い。といっても入ってくる泥棒はそんなこと知らんだろうから、開放窓の防犯効果はそれなりには考えられよう。
■開放性
この点においては圧倒的にB案が優位。ギャラリーやピアノ教室をする上でのオープンな感覚を求めるだけでなく、豊田さんは言問通りが商屋的なニュアンスを残す家または店舗が多いということからもその連続性としてこの案を考えておられた。訪れる人に対する一つのメッセージとして「この建物は、開かれている」事を語る役割を持つ。
■デザイン
まず父は豊田さんに 1:10 の模型を初めて見せてもらったとき(※)から、A案のまるい3つの小窓は気に入っていたらしい。私もまあ、そのときはちょっと小手先っぽい感じがしなくはないけど、悪くはないかな〜くらいに思っていた(豊田さんも同様にどこか小手先感があって"これだ"とは言い切れずにいたらしい)。
で、今回、義父制作のケヤキの取っ手と合わせてみて、まず家族全員共通してA案の方がその取っ手には合っているという見解を示した。あの取っ手を活かすためには大きな窓があるよりも、A案もしくは何もないくらいの方が望ましい。ただ、こうして模型で見るとこれまでは小手先という風にも見えていたA案のまるい小窓3つが取っ手とバランスよく、それを引き立てるような表情に落ち着いてきた。
前室にいるとき、足下から外の光が入るというのも大きいし、ないよりはあった方がいいだろう。
■前室の明るさ
最後に問題となったのが前室にいるときの採光の問題。
B案は言うまでもないが、A案を選んだときには足下に多少入るとはいえ、微量であることにはほかならない。そこで私が片袖の方にスリットを入れるというC案を出してみた。本扉の方にスリットを入れるほど、取っ手を邪魔する感はないと思うが、ただ一つ母から指摘を受けた問題として、スリットを割られたらちょうど手が鍵に届きやすい位置だよねという話(笑)
現在、豊田さんにどのくらいの横幅のスリット窓が入れられるか検討してもらっている。細けりゃー手も入れられないっちゅーわけです。
≪ 閉じる